【2024年3月29日】アルバムのポスター出来ました

アルバム「音楽を聴く犬」のポスターを、アルバムでギターを弾いていただいたg君からいただきました。トップページにも貼り付けたいのですが、私のスキルでは出来ないので、ひと先ずブログページに上げておきます。

どうもありがとうございました。

 

 

 

 

【2024年3月28日】前回の続き 〜 今更ですが、ローリングストーン誌「歴代最高アルバム500選」に思う

前回、ゼロ年代のロック・バンドはレディオヘッドの影響を多少なりとも受けているバンドが多い云々と書きました。更に補足すると、アルバム「OKコンピューター」「KID A」この2枚のアルバムの影響、と言ってもいいかもしれません。

この2枚のアルバムは、ロック史的にみると、シーンを大きく変えた超名盤だと個人的には思うのですが、そもそも「名盤」という概念って、一体どんなものなのか?ふとそんな事を考えました。

 

 

 

「名盤」について掘り下げた批評ですが、有名なところだと、アメリカのローリングストーン誌の「歴代最高のアルバム500選」が挙げられます。これは単純に、複数の選者によって過去から現在まで「名盤」であろうと思われるアルバムを500枚選んでコメントを付けた、という記事です。

 

 

 

 

この記事を読んだ方の多くの方々は「何だかとりとめないなあ」と感じたのではないかと思います。何故なら、順位が付いているけど、その基準が曖昧だからです。深く考えずにパラパラと読むには面白いのですが。

 

 

それで、この記事を観ながら・楽曲を脳内で鳴らしながら、私なりの名盤の条件や基準を非常にざっくりと設けてみました。こんな感じです。

 

 

① 時代を超えて普遍的な楽曲のクォリティを保っている

 

② リリース当時の社会情勢にコミットしていてメッセージ性が強く、アーティスト自身がオピニオン・リーダー的立ち位置を獲得している

 

③ 後の音楽シーンや楽曲構造のイノベーションに多大な貢献をしている

 

 

 

もちろん言うまでもなく、大ヒットしたアルバム (ファン以外の多くのリスナーに受け入れられた)、が大前提です。前述のレディオヘッドの2枚は③に該当するのではないかと。

 

 

そして、このローリングストーン誌「歴代最高のアルバム500」2020年改訂版、つまり最新版だと、1位から10位はこのようなアルバムが上がっています。上記に該当する番号も当ててみました。もちろん独断と偏見です。

 

 

 

1、マーヴィン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイン・オン」②③

2、ザ・ビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」①③

3、ジョニ・ミッチェル「ブルー」①②

4、スティーヴィー・ワンダー「キー・オブ・ライフ」①②③

5、ザ・ビートルズ「アビィ・ロード」①

6、ニルヴァーナ「ネヴァー・マインド」①②

7、フリートウッド・マック「噂」①

8、プリンス&ザ・レヴォリューション「パープル・レイン」③

9、ボブ・ディラン「血の轍」①

10、ローリン・ヒル「ザ・ミスエデュケーション」②

 

 

 

 

 

因みに前回 (‘12年) はこんな感じです。

 

 

 

1、ザ・ビートルズ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」③

2、ザ・ビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」①③

3、ザ・ビートルズ「リボルバー」③

4、ボブ・ディラン「追憶のハイウェイ61」②③

5、ザ・ビートルズ「ラバー・ソウル」①③

6、マーヴィン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイン・オン」②③

7、ザ・ローリング・ストーンズ「メイン・ストリートのならず者」①

8、ザ・クラッシュ「ロンドン・コーリング」②③

9、ボブ・ディラン「ブロンド・オン・ブロンド」②③

10、ザ・ビートルズ「ザ・ビートルズ」(ホワイト・アルバム) ③

 

 

 

 

見てお分かりかと思いますが、前回は時代の節目たるイノベーションに、今回は楽曲の普遍性に、それぞれ重点を置いているように感じます。(あくまでもベスト10位までの結果です)

分かりやすいところだと、’20年版だとビートルズは「アビィ・ロード」、ディランは「血の轍」。両アルバム共、円熟した楽曲と演奏が魅力のアルバムです。ところが前回選ばれていたのは、両者共、シーンを切り開いている革新的なアルバムでした。

そういう視点で見ると、プリンス&ザ・レボリューションは、出世作「パープル・レイン」ではなく「サイン・オブ・ザ・タイムズ」(このアルバムはプリンス個人名義ですが) が選ばれた方が良いのではないかなと思いました。

 

 

まあこういうランキングというのは、ケチを付けようと思えば幾らでも付けれるのですが (笑)、そこはスルーして、単純に楽しむのが正しい接し方なのではと。

欧米だなあ・ローリングストーン誌だなあと思うのは、②社会情勢へのコミット、です。ここに重点を置いているアルバムが、ベスト500をざっと見て非常に多いです。日本で同じようにJ – POPランキングを作ったら、多分数枚しか当てはまらないのではないかという気がします。この辺は、日本と欧米の風土の違いが大きいです。

 

 

 

いかにも’20年的だと思ったのは、10位以内に女性が2人 (ジョニ・ミッチェル、ローリン・ヒル)、男女混成バンドが1組 (フリートウッド・マック) がランクインしている点。10年後のランキングだと、男女比率が同率もしくは逆転している可能性も大です。それぐらい、今は女性クリエイター・女性パフォーマーの台頭が著しいです。

 

 

あと、ブラック:ホワイトも、6:4になっています。(前回のブラック・アーティストはマーヴィン・ゲイただ1人)

音楽史的には、むしろブラック・アーティストが8割でもおかしくないと思うので、この辺も、次回ランキングでは半々、もしくは逆転するのではと予想します。

 

 

尚、私個人の今現在の心情的には1位はスティーヴィー・ワンダー「キー・オブ・ライフ」かなと考えましたが、次回こういうランキングがあったら、このアルバムはどう評価されているのでしょうか?また、自分自身、10年後・20年後、どう聴こえるのでしょうか。興味深いです。