自宅から車で数分のところに、私が幼少の頃に住んでいた住宅街があります。今日は時間もあったので、車でちょっと廻ってみました。
数年前に帰省した時、それこそ40年ぶりぐらいにその住宅街の町内を見に行ったことがあります。
その時は、行くまで懐かしさで一杯だったのですが、行ってみると、懐かしいことは懐かしいのですが、意外にそれ程感情が動きません。ちょっと肩透かしをくらった感じでした。余りに環境の変化が大きかったためかと思います。
そして、小さい頃あんなに広かった、それこそ自分にとっての世界そのものだったその町内が、ほんとにちっぽけに感じました。世界というのは、個人の認識でその大きさが決まるものなのだなあと、思ったものです。
そんな中で、子どもの頃から道路脇にそびえ立っていた、当時のまんまの姿を留めている一本の大きな松の木だけは、当時も今も、その大きさは変わらずに見えました。
子どもの頃からほとんど変わらない、でもちゃんと成長している松の木を眺めながら、この松に比べたら、人の生や世の移り変わりは、まさに春の夜の夢の如しだなあと。思わずため息をつきながら、そんなことを思いました。
昔の人は上手いこと言ったものです。