【2023年3月11日】将棋AIと音楽

本日と明日、将棋の王将戦が行われています。平成の天才である羽生九段と、令和の天才である藤井王将の対局という事で、将棋ファンはWBCそっちのけで盛り上がっている最中です。

ところで今回の王将戦の特徴として、藤井・羽生、両方のファンの多くは、勝敗にそれ程拘らずに観戦しているところではないでしょうか。一つの時代の節目を見届ける、そんな心持ちなのではないかと。

 

 

 

私は時々ですが、ネットのAbemaTVで将棋観戦をしています。ここ数年ではAIが棋士よりも遥かに強くなって、画面に表示される、AIが示す評価値 (どちらが勝ちやすいかを示す数値) を目安に、解説の棋士が盤面を解説する、といった具合です。

 

 

その解説で、誰ともなくよく使われる表現に「この手は人間じゃあ指せない」「ヒト的にはこちらですね」といった言い回しがあります。どういう事かと言うと、そう言われるようなAIが示す最善手は、多くの棋士たちが今までの経験で培った手とは全く異なる発想の、いわば人間の常識外れの一着だからです。

 

 

私はそういう場面を観ながら、時々ですが、AIが作る音楽を思います。評価値が高い、を音楽に置き換えると、より多くの人の心に、より深く刺さる、になるのではないかと思います。

 

 

残念ながら音楽では、まだビートルズや美空ひばりをシミュレートしているというレベルです。しかしそのうち将棋の最善手のように、人間の想像を遥かに超えたメロディやリズムが、AIから奏でられるのではないかと、実は思っています。音楽には、科学的・数学的な側面もあるので。そんな日が来るまで生きていたいなあと。