【2017年10月11日】アンチが多いということは? 〜 村上春樹さんとハルキスト

いつもこの時期になると、ノーベル文学賞候補に挙げられる村上春樹さんは、「アンチに叩かれる表現者」の代表格として、そのファン (ハルキスト) と共に名を馳せています。残念ながら今年も受賞は逃しましたが、多分騒いでいるのはいわゆるハルキストたちだけで、村上さん本人は何とも思ってないという気がしますが。
ところで、村上春樹さんやハルキストって、何でこんなに叩かれるんでしょうかね?

 

 
時々見かけるヤフコメでさえアンチが多く、このブログを書く際に気になって「村上春樹 アンチ ハルキスト」で検索してみたら、無限 (!) にヒット。否定意見が多く、負の怨念が凄く、読むと身体に悪そうなので、閲覧するのを止めました。(笑)
本人の表現に関して、あーだこーだ言うのは、まあ良しとして、ファンの事なんかほっとけばいいのにと思いますが。

 

オモシロイという事を、他者に発信する行為 (こうしてブログに書いたり、ファンだと公言する事) は、ある意味その本を読んだ自分を肯定する行為です。
そして、「こんな小説、ちっともオモロないわ」と、思うだけでなく公言する行為は、他者 (作者や理解者=ファン) を陥れる事によって、自分を肯定する行為です。
まあどっちもどっちかと。ほんとに興味がなかったら読まない筈ですから。仮に何かの機会で読んでも、ピンとこなかったら発信しない筈ですから。だから昔から、「アンチもファンの一部ナリ」と言うんですが (笑)

 

村上さんのように、作品や作者やそのファン自体が踏み絵のような存在の表現者は、世の中無難な表現や曖昧な表現が多い中、とても貴重な存在なのではないかと思います。
別段過激な事を表現している訳ではありませんが、作品の、思想・感性・世界観が、非常にハッキリしていて分かりやすく (だから逆に分からない方にはサッパリ分からない事になる)、ブレがないからこそ、ファンも多く、アンチも安定して存在しているんだと思います。

 

 

画像は、元ビーチボーイズのリーダー、ブライアン・ウィルソン。この人に限らず、村上春樹さんの小説やエッセイには、’60年代のロックやジャズや、クラシック音楽などの曲名・固有名詞が普通に頻出しています。
こういう所も、ファンは喜び、アンチの方には鼻につくんじゃないかと。