【2017年11月12日】「タイムよりマネー」な現代人 〜 大谷選手のポスティング表明に思う

 

 

 

今朝のYahoo!ニュースのトップに上がっていた記事です。

 

米国内では、大型契約ができる年齢まで待たずに挑戦する23歳の決断に対する驚きの声が上がっている。米メディアは、「2年後以降の挑戦を強く勧める代理人もいる」(米スポーツ専門局ESPN電子版)、「金は彼の最優先事項ではないようだ」(CBSスポーツ電子版)などと伝えている。

 

 

 

私からすれば、大谷選手の選択こそがごく自然だと思いましたが。「金は彼の最優先事項ではないようだ」って、そんなの当たり前じゃないですか (笑)。お金が人生の最優先事項になったら、世も末だと思いますが。

 

 

そもそもこのニュースは、25歳のダルビッシュがレンジャーズと6年総額6000万ドル(当時のレートで約46億円)、田中が25歳でヤンキースと7年総額1億5500万ドル(同約161億円)の巨額契約を結んだ事と、大谷選手の、25歳以下規定である、最大350万ドル(約4億円)程度、を比較して報道されています。

 

 

パッと見、凄く差があるようですが、よく考えてみて下さい。
人が普通に暮らして〜 普通にというのは、生活以外、趣味やレジャーや交際費なども含めて 、年間使うお金は、よっぽどの贅沢を尽くさない限り、タカが知れています。ましてや、一生懸命にうちこみたい事がある人なら、そんな無駄な贅沢もしないと思われます。時間がもったいないので。
つまり、数十億・数百億も、4億も、実質的な価値は変わらない訳です。

 

 

20代前半の2年間の時間は、スポーツ選手にとっては大事な時間です。スポーツには興味のない私でも、それぐらいは分かります。
大谷選手にとっては、今、どうしても、という気持ちの方が、大金よりも遥かに重要だったんでしょう。

 

 

私は、大谷選手の決断云々よりも、この当たり前の行為に驚いている人や賞賛している人が大勢いる事に、現代の「マネー社会」の病理 (独占・執着や、それによる犯罪・飢え・貧困、格差社会など) の一端を見た気がしました。大袈裟ですが。

 

 

 

 

最後に、大谷選手の去年の契約更改時のコメント。

 

 

「判を押す? それが普通。評価するのは自分ではない。他人の年棒も、自分の年棒も興味はない。お金について、どうこう言うつもりはないです。もちろん大事な事ですが、自分の中では一番大切なものという感覚はないですね。」

 

 

この発言をカッコいい (とかカッコつけてる) ととるか、普通ととるか。あなたはどちらでしょうか?