【2018年5月22日】ローリング・ストーンズがツアー開始 〜 ストーンズのグルーヴの秘密はどこに?

 

 

メンバーは全員70代。この歳でのツアーは凄いとしか言えません。私もこんな年寄りになりたいものです。
YouTubeで近年のライブの様子が上がっていますが、それを観ると、他のビッグ・ネームのアーティストたちは、既に懐メロ歌手・バンドと化しているのですが、ストーンズは懐メロにはなっていないのがよく分かります。音楽性は30年、40年前から全く変わっていないのですが、それでいてマンネリ化もしていません。何ででしょうか?

 

 

この記事によると、ライブの一曲目は「ミス・ユー」だったそうです。「ミス・ユー」と言えば、パンク・シーンに触発された、ロックンロール・アルバム「女たち」のオープニング・ナンバーです。
この曲はよく「ディスコに接近」と言われましたが、この曲とか、この次のアルバム「エモーショナル・レスキュー」の一曲目「ダンス」など、私には気怠いファンクにしか聴こえませんでした。どこがディスコ?てな感じです。前のアルバム「ブラック・アンド・ブルー」のオープニング「ホット・スタッフ」もそうです。
同様に、アルバム「女たち」のロックンロール・ナンバーもどこかしら気怠く、パンク・バンドのロックンロールの性急さと全然違います。どこがパンクに触発?てな感じがしました。

 

 

思うに、この頃既にストーンズのグルーヴはとっくに確立されていたのだと。アルバムでいうとベガーズ・バンケット、曲でいうと「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」ぐらいの頃でしょうか。’60年代終わり頃です。

 

 

それ以降のストーンズ独特のグルーヴは、どんなスタイルの音楽を演ろうが揺るぎないものに聴こえます。そして、音楽スタイルではなく、そんなタメやタイム感を、歳をとるにつれてどんどんと突き詰めていっている感じがします。音楽スタイルを極めていく (=マンネリ化しやすい) のではなく、その瞬間その瞬間に出す音を極めていく。まさに居合の達人が技を極めていく、そんな過程を見せられているようです。そんな殺気が続いているので、決してマンネリ化して聴こえないのではないかと。
16ビートのファンクを演ろうが8ビートのロックンロールを演ろうが、この緊張感がある限り、ストーンズとしかいえない独特のタイム感が感じられる訳です。

 

 

私はストーンズのライブを体験したことはありませんが、実際にライブだと魔法にかかったように、ストーンズ・グルーヴにやられそうな気がします。日本にも来ないかなあ。