【2018年5月23日】久しぶりに音楽の本に触れました 〜 「倍音」中村明一 著

音楽評論や音楽エッセイなどを読まなくなって久しいのですが、書店でふと見かけたこの本のタイトル「倍音」に惹かれて手にとって、中を少し読んだところ、最近私が考えているようなことの答えが書いてあるように思えて、思わず購入しました。

 

 

世の中、同じようなコード進行で似たようなメロディの歌がたくさんありますが、心に響く歌と響いてこない歌があります。もちろん個人差はありますが、響く歌は個々人の嗜好性を越えて集合無意識的にたくさんの人々の心に響きます。
一般的には、それを「音楽家の才能」の一言で片づけられているのですが、この本では、その理由を音響的な観点から論じています。

 

 

かといって、難しいことが書いてある訳でもなく、誰もが身に覚えのあるエピソードを織り交ぜながら、実に分かりやすく論じています。特に音楽に興味がある訳でもなく、日本文化についての本などを読みたい方などにもオススメします。(オビで、哲学者の内田樹さんも、そのような意図で推薦文を書かれています)

 

 

第4章「日本という環境・身体・言語」、第5章「日本文化の構造」では、音と言語、しいては文化との関係についての深い考察が述べられており、私が以前ブログで書いた、稚拙な疑問 (4月21日「音と言語 (の発声) に、因果関係がありそうです」(←クリックで読めます) の解答のひとつともなるべきことが書かれています。

 

 

こんな面白い本はひとりで満足してしまうのはもったいないと思い紹介しました。まだ全部読んでいませんが、おそらく数回読み返すような気がしています。
ソフトをインストールしたPCが届くのは約2週間後とのことです。PCソフトでの音楽制作に活かせたらと思います。