【2018年6月24日】「ロックのウラ教科書」読みました

本屋でタイトルに惹かれて何気に立読みで読んでいたら、これが面白くてそのまま購入。うちに帰って一気に読んでしまいました。
どんな本かというと、エンジニアである著者・中村公輔さんが、エンジニア視点 (音響)からロックを語った、そんな本です。

 

 

私が時々ブログで書いている、時代によって大きく変わっていくドラム音やギターの歪んだ音についての文章などを、もっと突き詰めて、検証して語っていらっしゃいます。
タイトルに「ロックのウラ教科書」とありますが、正しくは「正統・ロック音響の歴史」といった趣きがあります。それぐらい細かく調べて書いてあります。

 

 

非常に共感出来ることも多いのですが、「なるほど」と感心させられることの方がはるかに多く、目からウロコが数枚落ちました。(最近よく落ちます 笑)
私が度々書いていた「洋楽とJ-POPの音の違い (洋楽の方がカッコよく聴こえる)」についての言及もあり、こちらも音響視点から考察されていて、実に興味深く読めました。

 

 

取り上げられているミュージシャンも、私には馴染みの人が多く、もしや同世代?と思い、著者のプロフィールをみたところ、私よりも10歳若い方でした。若い頃、流行りの音(80年代の音)が嫌で、60年代〜70年代のロックばかり聴いていたそうです。通りで、私とかぶる訳です。

 

 
内容とは別に、もうひとつ気になることがあります。この本は実際のところどれだけの冊数が売れたのだろう、ということです。
何故ならこの本を楽しめる人は、相当なロック及び音響マニアの方、もしくは興味を持っていて、これから勉強してみようと思われている方ではないかと。そんな人々が、一体全国にどれだけいらっしゃるのか、ちょっと考えました。
とは言っても、こうして一般の書店に流通しているということは、一定数の読者を想定しているということに他なりません。それだけ音楽人口が増えている証拠ではないかと、そんな気がします。

 

 

「あとがき」の最後の文章が、私が最も共感したところです。私もブログで度々書いていることのー異口同音です。読んでいて、まるで自分の文章のように思えましたので、転載します。
一人でも多くの音楽ファンに読んで欲しいです。

 

 
まだまだインターネットでの音楽視聴は黎明期だと思いますが、現時点でもこれだけの変化が出てきているので、これから更に違うものが出てくると思います。そして、ネットに最適化した音楽を作れた人が、次のビートルズになってゆくのだと思います。そう考えると、これから先に出てくる音楽が楽しみで、ワクワクが止まりません。リスナーとしても音楽制作者としても、こんな時代に生きられることが、なんてラッキーなんだ!と。