【2018年9月23日】先日リリース、プリンス「ピアノ&ア・マイクロフォン 1983」に思う

昨日リリースされたこのアルバムは、プリンスさんが1983年に残した、ピアノの弾き語りによる未発表曲、未発表ヴァージョン、未発表カヴァー曲集。

 

 

昨年、プリンスさんの死後リリースされた「パープル・レイン・デラックス」(「パープル・レイン」のリマスター盤) に、当時の未発表曲のCDがボーナスとして付いていました。このアルバムは、半分はこの曲たちを聴く為に購入したようなものですが、繰り返して聴くにつれ「やっぱりお蔵入りした曲なんだなあ」と、妙に納得した憶えがあります。正規にリリースされた音源とは、決定的に何かが違うように感じました。(クォリティはすごく高いのですが)

本人が没にした何らかの理由が、これらの曲にはあったのでしょう。

 

 

プリンスさん宅の金庫には、お蔵入りの曲が数千曲!も保管されているそうです。天才的な音楽家なので、未発表曲のクォリティも十分あるかと思いますし、シロウト考えだと無形文化財として全て開陳すれば良いかとも思いますが、一方で、本人が「こんな恥ずかしい音源は人には聴かせたくない」と思っているのも、たくさんあるのではないかと思います。

 

 

前述の「パープル・レイン・デラックス」を聴いてから、私は故人その人の意思でリリースされたもの以外の音源 (つまり、死後のリリース音源) には、手を出さない事にしました。だから、デヴィッド・ボウイさんの、死後リリースされたいくつかのボックスセット (リマスター音源) も、全く聴いていません。

未発表の作品は、本人と一緒に黙って葬ってあげるのが、一番の愛情ではないかと思います。