【2018年10月27日】久しぶりにマンガ買いました 〜 鍋倉夫「リボーンの棋士」

本屋で羽生さんの推薦文の帯をみて、何気なく手にとって読んだところ、すっかりハマって思わず購入しました。マンガを買ったのは何年ぶりでしょうか。

 

 

意外と多い将棋マンガですが、私にとっては小学生の頃の「5五の龍」(つのだじろう:著) 以来、熱心に読めました。

「5五の龍」で言うと、奨励会を退会した角道くん、自殺した穴熊くんなどの、その後の人生、つまり一度大きな挫折を味わったあとの人生を、このマンガはリアルに描いています。将棋に全く興味のない人でも面白く読める王道の成長ストーリーです。リボーンは、生まれ変わる、再生、という意味。

一巻を読んだ限りだと、大ヒットした囲碁マンガ「ヒカルの碁」並みに当たっても驚かない面白さです。

 

 

将棋や囲碁など、静的なモチーフをマンガで表現する場合、動きがない分、一コマ一コマが静止画のような緊張感が必要です。そして、書き込む画力よりも、微妙な表情や動きを過不足なく表現出来る、繊細さ、でしょうか。「ヒカルの碁」「月下の棋士」もそうでしたが、この「リボーンの棋士」も、淡々としていながらも、じっくり眺めると、一コマ一コマが実に練られているのが、素人目でも感じられます。余白の美を感じます。

 

 

おそらくこの作者も、相当な苦労や挫折感を味わった経験があるのではないのでしょうか。何かに一生懸命になっている人や、多少なりとも挫折を味わった経験がある人には、身につまされる話です。そんな人に手にとって頂きたい本です。

 

 

 

 

表紙と、このマンガでは一番派手なシーン。他のページは実に淡々と進むので、このシーンには思わず目を奪われました。ちなみに主人公は左の地味な青年の方。右の、髪を束ねてオーラが出てる方は、藤井くんをモデルにしたと思われる天才少年棋士。

最近のマンガは、主人公が普通っぽい人のが多い気がします。そんなマンガを好んで読んでいるからかな?