【2018年11月13日】アルバムは「地味な曲」を聴くためにあります 〜 CDアルバムが売れない時代に

 

 

今朝の記事から。CDアルバムが売れないそうです。今に始まった事ではない気がしますが。。

そもそも、シングルカットされるキャッチーな曲を求めている人が世の中の音楽ファンの多数派なので、資本主義経済上、必然的にこうなっていく訳です。

 

 

私がアルバム (昔はLPレコード) を買い始めた中学生の頃は、ヒット曲やラジオでかかったお気に入りの曲を目当てに、おこずかいを貯めて購入していたのですが、大体が、インパクトの強いお目当ての曲以外、心にスッと入ってきませんでした。

でもせっかくなけなしのおこずかいを叩いて買ったので、払ったお金が勿体ないので、元を取ろうと思い、そのつまらない曲たちも「きっとそのうちちゃんと面白く聴けるようになる筈だ」と思い、毎日聴き続けました。

 

 

その結果、目的のシングル曲よりも好きになった曲は、山ほどあります。「(その時の自分では)理解できない曲」があったからこそ、音楽を聴く耳も、探究心も、肥えていったのだと感じます。

この辺は、ある意味読書体験と似ています。理解できる「面白い本」ばかり読むよりも、背伸びして、今理解できなくても、何度も何度も読めばきっと理解できて自分がひと回り成長出来るのでは、と思える本を手に取るのも、時には大事であるように。

 

 

アルバムの中の地味な曲は、キャッチーな仮面を外した、そのアーティストの本質が顕になっている曲が多いと感じます。実験している曲、内省している曲、途中で放ったような完成度の低い曲…etc。だから好きになったアーティスト程、アルバム曲は聴きどころ満載です。こないだ50周年盤でリリースされた、ビートルズ「ホワイト・アルバム」など、その典型です。

 

 

そういう楽しみ方が段々と減ってきているというのは、ちょっと残念に思います。まあ音楽の楽しみ方は、その時代その時代違うので、どちらが正しいかとかの問題ではありませんが。