【2018年12月10日】宇多田ヒカル、歌手生活20周年に思う

 

 

 

先日12月9日はデビュー20周年。

あの800万枚売れたデビュー・アルバムから20年経っても、懐メロ歌手化せず、または一部のファンたちのカルト化せず、かといって時代に媚びた音作りを行なっている訳でもなく、それでいてずっとJ–ポップの最前線のアーティストの一人として活動をしていらっしゃるのは、月並みな言葉ですが、大変素晴らしい事です。

 

 

これは普通に出来る事ではなく、自分はこうしていきたいという確固たる意志がないと出来る事ではありません。決して「才能あるから」の一言では済まないのではないかと。

私が宇多田さんをよく聴いていた頃、好きな曲を更に理解したいと思い、彼女のブログ本やインタビュー本を読んだのですが、実に深い考察のうえに数々の楽曲が生み出されている事をあらためて感じました。

 

 

あの繊細でいて強い楽曲は、秀れた感性と知性は勿論ですが、それ以上に、生まれ育った家庭環境・生活環境が生み出したのではないかと、勝手に思っています。

記事中、ライヴのMCで「母は私が小さい頃から才能を信じてくれた。そうじゃなかったらこういう仕事をしていなかったと思う」とありました。「Be my Last」など、母親を歌った歌もあります。

 

 

それで今、パラパラッと、インタビュー本「点」を広げていますが、気になった言葉を適当に抜粋。ほんと適当にです。

 

 

音楽は無理には作れないし、できなきゃできないっていうものだから。

数学とかだったらね、何とか答えは出せるけど。(366P)

 

あ、そうか。ひとりぼっちじゃないから孤独なんだ。(422P)

 

天才とか凡人とかって…そんな分けるものじゃないと思う。

すごく頭がいいとか、すごく才能がある人こそ、その自分の中の万人の共通するものをわかっていたり…

すごく普通の人間の自覚があると思うのね。(426P)

 

音楽は「続ける・続けない」って決めるものじゃなくて、私の中にずっと「ある」もの。(440P)

 

 

宇多田さんでさえ「音楽は無理には作れないし、できなきゃできない」と仰っています。こんな言葉を聞くと、凡人の私は安心して煮詰まる事が出来ます (笑)。

歌は出来なくて当たり前、出来たらもうけもの、です。たとえ他の人が聴いてつまらなくても、少なくとも、自分自身の心を癒し、解放させます。

 

 

これからも、私たちの心に染みる歌を歌い続けて下さることを願います。

 

 

※関連記事 (クリックで読めます)

 

 

「孤独」を促す歌〜宇多田ヒカルさんの歌から

 

聴き返したアルバム その4 〜 Utada「エキソドス」

 

前回の続き 〜 Utada「エキソドス」と宇多田ヒカルの音の違い

 

 

 

 

今になって気が付きましたが、「点」がインタビュー集で「線」がブログ集なんですね。今まで逆かと思っていました。