かねてから作ってみようと思っていた「ユメヒトヨ」のダブ・ヴァージョン、ようやく着手出来ました。今時のエレクトロニカの音響ではなく、30年前の、ディレイやリバーブ (両方とも、いわゆるエコー効果) を効かせた、オールドスクールな音響を目指しました。

聴いていると、ランダム&フリーダムに聴こえるダブですが、いざ作ってみると音の抜き差しはやはり難しく、自由気ままに作れるものではなく、よいものにしようとするなら、曲作り同様に精進が必要です。

サイエンティスト、キング・タビー、エイドリアン・シャーウッド、デニス・ボヴェール…、私がかつてよく聴いていた、音の魔術師たちの音響に、少しでも近づいていればよいのですが。

30年以上前、毎日ダブを聴いていた頃、まさか自分がその数十年後にこういう音楽を作るなどとは、夢にも思いませんでした。今回の制作は、数年前に初めて曲を完成させた時の感動が蘇りました。

トラックを部分部分で切り取ったり、それを貼り付けたり、加工したり…。まるで工作のような、ダブ制作の作業でした。