【2019年1月20日】「田舎のネズミ」の音楽 〜 アレステッド・ディベロップメントが年末に来日していました

 

ーー情報サイト「Mikiki」より。

 

 

 

 

さっきまでCDを整理して、聴きながらPCに音源を落とす作業をしていました。そして、アレステッド・ディベロップメント (アメリカのヒップホップのバンド) の「シンス・ザ・ラスト・タイム」(‘06年) を聴きながら、何気にタブレットでネットを眺めていたところ、何とこのバンド、年末に来日していました!。。ライヴに足を運ばなくなって久しいこの頃ですが、知っていたら絶対観に行っていました。最近は外タレの来日情報のチェックは全くしてないので。。

 

 

このバンドは、’90年代に活躍した、当時珍しい生バンドでヒップホップを演るバンドでした。ジョージア州アトランタのバンドで、つまり田舎のバンドです。音も言葉 (ライム) もナチュラル志向で、ニューヨークのギャングスタ・ラップに比べ、実にのどかなノリです。どことなく、ルーツ・レゲエを連想したりもします。そこが好きで、よく聴いていました。

 

 

 

イソップ寓話に「田舎のネズミと町のネズミ」という有名なお話があります。あらすじは端折りますが、つまりは、人間、それぞれの人がそれぞれに合った生きる場所 (及び、しあわせ) がある、という事を言っているお話です。

今このバンドを聴いていて、この話を思い出しました。そして、ニューヨークのヒップホップよりも、彼らのいなたい音に親しみを覚える私は、おそらく北陸の田舎モノだからでしょう。

 

 

かつて、何事にも於いても一旗上げるのには先ず東京へ行く、という時代が、日本にはありました (アメリカだと多分ニューヨークに行くのかな?)。切磋琢磨出来る環境と夢が、そこにあったからでしょう。あと、地元には住みづらくて、居場所を求めて家出して東京に行ったりとか。(今の引きこもりの方の何割かは、昔だったら家出している人種です)

 

 

ミュージシャンも例外ではありませんでした。そして今も、たしかに東京やニューヨークで活動を行なっている人々が多いのですが、昔ほどではないんじゃないかなあと感じます。これはひとえにインターネットの普及のおかげです。あと交通機関の充実と。その反面、フロンティア幻想が持てなくなり、世界が狭く感じて息苦しくなったという負の側面もありますが。

 

 

 

人は日々の生活を営んでいる、その場所で、普通に表現行為が出来て、発信できる。そんな時代になったと感じます。このアレステッド・ディベロップメントは、そんな生活感に裏付けされた音を鳴らし、且つインターナショナルな音楽性を獲得出来た、パイオニアのようなバンドです。もっとリスペクトされてもいいと思うんですが。。

私の曲も、聴いた人が「ああ、北陸ね」と納得して頂けるようになればいいなあ。

 

 

 

 

「シンス・ザ・ラスト・タイム」、地元近辺だと思われるジャケットの大自然は、まるで私が見慣れている北陸の山間部の風景のようです。