【2019年3月18日】内田裕也さん死去

 

 

今朝のニュースから。謹んでお悔やみ申し上げます。

 

 

私の年代のロック好きには、リアルタイムではなく既に伝説となっていた方です。名前は知っていても、どんな音を鳴らしていた方なのか、知らない方が多いと思います。私もそうでした。

 

 

私の中で内田裕也さんと言えば、1991年東京都知事選に立候補された際の政見放送です。当時この放送は一部の人たちの間ですごく話題になりました。

私はこれを見て、内田裕也という人の人となりが好きになり、一気に距離が縮まりました。素晴らしい演説でした。今朝のニュースを見て思い出しました。

 

 

以前、その事について書きました。再掲して、追悼致します。

 

 

 

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政治の言葉とは 〜 1991年東京都知事選の内田裕也氏のこと (2017年 9月28日)

 

 

 

私は政治情勢にあまり興味がなく、政治絡みのニュースは熱心に見ませんが、このところなんだかんだで政局が大きく動いていて、気がついたら衆議院解散のニュースが流れていました。選挙は来月に行われるそうです。

 

 

 

選挙には政見放送というのがあります。衆参両院議員・都道府県知事選挙の立候補者が、自己の政見をTVなどで発表するんですが、この政見放送で伝説の一つになっているのがあります。選挙の度に思い出しています。知らない方もいらっしゃると思いますので、紹介します。

 

 

 

 

 

…政見放送では、冒頭でジョン・レノンの『パワー・トゥー・ザ・ピープル』を歌い、自らの経歴を英語で語った。型破りな政見放送は東京都民の記憶に焼き付き、また録画ビデオは、マニアの手で今なおダビングを繰り返されているという。  選挙演説は、トラックをステージにしての路上ライブ。運良く居合わせた都民は、しばしロックンロールに酔いしれた。 4月7日に行われた投票の結果、内田裕也は54654票を獲得。東京ドームを満員にする数字であった。  1991年春、東京は熱かった。

 

ー「内田裕也オフィシャル・サイト」より引用

 

 

 

1991年の都知事選。立候補者、内田裕也氏の演説です。
当時私も実際見たわけではなく、ニュースで知りました。最近はよくある (らしい) ユニークな政見放送のパイオニアのような放送です。今だとYouTubeで大量にアップされています。

 

 

 

そして後から面白半分に見て思ったんですが、実際これは奇をてらっただけではなく、ちゃんとした政見放送になっているんじゃないかと。
どこまで本音か分からない言葉や所属政党の政策を、台本を読んでいるように語るのではなく、自分の生い立ちを含めた自己紹介に徹して、歌まで歌って、自分はこんな人間だ、としか語っていないところが、すごいなあと。正にそれこそが、投票する有権者の一番知りたいところなのではないのでしょうか。少なくとも私はそうです。見ていてそう思いました。

 

 
そして、全編英語で語っているというのがポイントだと思います。何故なら、英語だと殆どの人に、喋っている内容が通じないからです (笑)。意味が通じない。それが、いいんじゃないかと。殆どの有権者には、自己紹介の内容すら伝わらず、放送を通じて、その「人となり」しか伝わっていないところが、良いのではと。

 

 

それにしても、5万票以上獲得したというのは、凄いことです。面白半分に投票した人もたくさんいらっしゃると思いますが。東京都内でも、私のように思った人は少なからずいらっしゃったのではと、勝手に思っています。

 

 

ちなみに私は内田裕也氏のファンでもなければ、歌も知りません。ロックンローラーだとは知っていましたが (笑)、この政見放送で距離が縮まったのは間違いありません。YouTube映像コメント、海外の方からのリスペクトも多いです。