【2019年5月5日】前回の続き 〜 12インチ・シングルに思う

前回12インチ・シングルについて「30年以上前の当時は、この12インチシングルが大流行りで、私も随分買ったものです。…」と書きましたが、具体的に、アルバムや普通のシングル盤とどう違うのか、今となっては全く知らない方も多いのではないかと。

 

 

それで簡単に説明すると、モノは単純に、LPサイズのビニール盤を、45回転(シングル盤の回転数)で回す、そんなメディアです。

ミニアルバム的に利用されていたりもしましたが、私が好んで聴いていたのは「リミックス・ヴァージョン」です。

 

 

 

普通のポップスの曲がミキサーの手によってズタズタに切り刻まれて、そういうのが普通にリリースされていました。レゲエのダブに大きく影響を受けています。「リミックス・ヴァージョン」という概念が一般の音楽ファンに普及したのは、ここからです。

 

 

 

当時一番人気があったのは、アーサー・ベイカーというプロデューサーがリミックスした12インチ・シングルで、下の画像だと、ローリング・ストーンズとシンディ・ローパーのがそうです。大物アーティストの計算され尽くした端正な楽曲がミキサーによってズタズタに解体されている音源は、原曲よりも数倍魅力的に聴こえました。(このストーンズの「ハーレム・シャッフル」は、それ程過激ではなかった気がしますが)

私は先にダブを聴いているのですが、リミックス音源から音響に興味を持って、ダブやヒップホップを聴き始めたリスナーも多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

ちなみに昨年、「ユメヒトヨ」というレゲエの曲を作った際、その曲のダブというかリミックス音源も作って、数名の知人に音源を聴いてもらいました。アーサー・ベイカー音源を意識して、ディレイとリヴァーブを多用して、曲をズタズタに切り裂いた音源です。反応は「…」(無反応)でした。

これにメゲずに、また挑戦してみたいなあと思っています。