【2019年7月8日】パンクは既に歴史的な表現スタイルになっています 〜 ローリングストーン誌の記事から

 

 

アメリカの音楽雑誌「ローリングストーン誌」が選んだ、「パンク」史上最高のアルバム40選の記事。先日のyahoo!ニュースから。

 

 

 

ここで書かれているパンクの定義は、音楽スタイルとしてのパンクであって、だから’90年代のバンドも入っていますが、私の中でのパンクは’70年代後半〜’80年代初頭の、思春期に一瞬のうちに吹き去っていった台風のような音楽で、のちのニュー・ウェイヴも同義です。

 

 

記事を読みながら思ったのは、私にとってのパンクは、「(特別な才能やスキルがなくても)誰でも自由に表現出来る」「伝統に囚われずにやりたいことをやる」そんなスピリッツだったんじゃないかという事です。まあそうやって囚われずに自由に表現出来るのも、一種の才能だという事は、当時分かりませんでしたが。

 

 

 

以前に「パンクは俳句のようだ」という記事を上げた事があります。

5・7・5の定型で必ず季語を入れる、という、ガチガチの約束事があるからこそ、俳句は小学生でも作る事が出来ます。ツー・コード、スリー・コードで3分以内で歌われるパンクは、音楽スキルのない人でも容易に出来るので、そこが俳句に似ているのでは、という趣旨の文章です。

「自由に表現する」「既成の価値観を否定する」割には、ガチガチの約束ごとが多い訳です。そこが面白いなあと。

 

 

その時はそんなスタイルについての言及のみでしたが、重要なのは、昔はごく一部の人たちしか反応しなかったパンクが、今では広く一般に受け入れられているという事です。

俳句を嗜む人が一定数いらっしゃるのと同様に、パンクを演る人が、今でも一定数いらっしゃるという事は、つまり既に歴史的なスタイルになっているという事です。

 

 

 

今、才能もスキルもなく、衝動的に音楽をやろうと思ったら、パンクよりもPCソフトです。そういう意味では、ボカロP (ボーカロイドで音楽制作しているクリエイター) などは、昔で言うところのパンク・ロッカーなのかもしれません。過去の音楽ばかり聴いている大人 (私もそうです 笑) が理解出来ない音楽を作っているという点も、似ているなあと思います。

ボカロの楽曲スタイルも、定型化していくのでしょうか?興味深いところです。