【2019年7月18日】レディオヘッド「イン・レインボウズ」発見!〜 トム・ヨーク来日に寄せて

「イン・レインボウズ」は、’07年にリリースされた、レディオヘッド7枚目のアルバム。知人とレディへの話になり、このアルバムをよく聴いているとの事で、私もすごく久しぶりに聴きたくなりました。

実はこの「イン・レインボウズ」、買ってから数回聴いただけでお蔵入りしていて、PCにもiTunesにも入ってなくて、CDを探したけどなかったので、しばらく聴くのを諦めていました。

 

 

ところが先日、ふとした拍子にジャケットごと発見。早速聴いてみました。これが今聴くと、当時は (レディへにしては) 普通すぎて肩透かしをくった穏やかでクリアな音が、心にスッと入ってきます。音楽 (に限らずですが) で感動するという事は、素晴らしい作品と出逢う事はもちろんとして、聴く側の受け入れ体勢・姿勢も、重要なのだとあらためて思いました。

 

 

当時、私がレディオヘッドに求めていた音は、おそらく、新しい音・世界観、だったと感じます。そんな自分勝手な過剰な期待を、このアルバムであっさりと裏切られた、そんな気が当時したものです。円熟してきたのかなと。でも、今聴くと、普通に良いです。特に「レコナー」「ヴィデオテープ」の歌声には、心がギュッと締め付けられました。

 

 

 

今になってこのアルバムを聴き返して、ビートルズの「アビイ・ロード」を少し連想しました。このアルバムは、ビートルズの実質的なラスト・アルバムです。それまでイノヴェーションを重ね続けてきたこのバンドの歴史を総括したような、そんなアルバムです。

「イン・レインボウズ」は、総括的というより、レディへのメンバー個々の音楽センスのエッセンスを絞り出したようなアルバムですが、穏やかな音を聴いていると、これがラスト・アルバムになってもおかしくなかった、そんな雰囲気を感じます。

 

 

このアルバムの後、レディオヘッドは新たなフェーズに入るんですが、「ヘイル・トゥ・ザ・シーフ」「イン・レインボウズ」にガッカリした当時の私は、ちゃんと聴いていません。今からでも、心をフラットにして耳を傾けたいと思います。