ポラリスを聴いていて、またまたレゲエについて書いてみたくなりました。
私の曲「ふきのとう見つけた」について、知人から「…ドラムが印象的でいいですよね」というラインをいただきました。仰っているのは多分、イントロとか途中のブレイクで鳴る、カカカーンという甲高く響く音です。
以前にも書きましたが、この音は、キース・リチャーズさんの「ワーズ・オブ・ワンダー」からのサンプリングで、ドラムはスティーブ・ジョーダンさんが叩いています。
昔のルーツ・レゲエやダブのイントロでは、こういうドラムで始まるパターンが常套でした。そして、甲高い「カカカーン」が鳴ると、それだけで一瞬にして曲の世界に入れるのです。誰が発明したんでしょうか?(笑)
問答無用で無理矢理リスナーの耳に直撃する、心地良い音の暴力です。
ポラリスの良さというか、狙っているところは、時間を空間的に刻むところではないかと。だから、クールで幾何学的に聴こえるのではないかと。(最近の音源聴いてないんで、単なる感想です)
そしてそれは、レゲエ/ダブの音楽的な一番の特徴であると感じます。
私にとってレゲエは、プロテスト・ソングやラスタファリズム・ソングとしての側面よりも、クールで幾何学的・数学的な音響が、先ず魅力的に響きます。なので、ポラリスの音も、しっくりくるのでしょう。
私の曲「ふきのとう見つけた」も同様です。この曲は音を組み立てる際、スカーッとした見晴らしのいい河原の空間を表現したいなあと思い、入れた音をどんどん抜いて作り込んでいった曲です。ベース音すら抜いていって、ところどころでしか鳴らしていません。最終的には結構スカスカしてますが、これでちょうどいいのかなと。
そう、レゲエにたくさんの音は必要ありません。
夏にレゲエを聴いたら気持ちいいのは、多分、レゲエがもたらす広々とした空間的な開放感が、夏の開放的な空気感とマッチしているからだと感じます。ジャマイカの果てしなく深い青空が、このような空間的な音楽を生み出したんだろうと想像してしまいました。
そう考えると、音の情報量が多くて、転調が多く、せかせかと縦ノリに動くJ−ポップの多くの楽曲は、やはり日本の土壌が生み出した音だと納得出来ます。生まれる音楽は気候や環境によって、結構左右されるものだなあと、あらためて考えました。
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