【2020年3月16日】重ねると濁っていく音・重ねると消えてしまう音… 〜 ミックスダウンは大変です

「色の三原色」、ご存知でしょうか?

三原色は「光の三原色」と「色(材)の三原色」に区分されています。光の三原色は混ぜると白に、色材の三原色は混ぜると黒になります。カラフルなスポットライトを集中させると白く明るくなり、絵具のいろんな色を混ぜてくと段々と濁っていくのは、この原理だからです。

 

 

 

それで、音はどうなのでしょうか?

ミックスダウンをしていると、音は、重ねていくと色材のように濁っていく(ノイズになる)事もあれば、光のように前の音や合わせた音が消えて聴こえなくなってしまう事もあります。

それから、一定の音量でボーカル・トラックを鳴らしていても、バックの音によって、前に出たり奥に引っ込んだりもします。バックの音の大小にもよりますが、小さくても引っ込む場合もあれば、大きくても声がちゃんと通る場合もあります。

 

 

売ってるCDだと普通に聴いている音が、実はエンジニアの方々の大変な試行錯誤によって、あのように「普通」に聴こえるのだという事が、自分でレコーディングを始めてから知りました。「普通」に聴けるように音をミックスするのは本当に大変なんだと。

 

 

 

人の耳はすごく高性能で、上は20000Hzから下は20Hzまでが可聴音域との事です。しかも、ある程度訓練された耳だと、大体の音は「あ、この辺が鳴っている」と、瞬時に音域が分かる位です。

 

 

なので、ちょっとした不自然さ・アンバランスさは、すぐに「不快」と感じてしまうんですよね。。

オルタナティヴやエレクトロニカなど、未知の音響に挑戦して、意図的にアンバランスにした音楽も多いんですが、成功率の低さがその困難さを物語っています。

そんな実験的な音楽で、耳が「快」と感じるのは、ごく一部の、才能豊かなミュージシャンの音のみです。

 

 

ちなみに、数日前に書いた、アナログ盤の音のよさの秘密は、可聴音域の上限を遥かに超えた、30000Hz〜40000Hzまでを再生する事から感じられるそうです。あと下の音も。鼓膜が感じなくても、身体が振動を感じているという訳です。(但し、ちゃんと再生させる事が出来るオーディオ・システムが必要である事は、言うまでもありません)

 

 

 

何で今回こんな記事になったかといえば、今作っている「月の子守唄」、トラックをミックスしていたら、音が消えまくってしまいまして。。

似たような音ばかり重ねたからだと思うんですが。それで、楽器音や周波数をいじっている最中です。

 

 

ミックスダウンは、詩作や楽曲の創造とは全然異なる回路を使った作業ですが、近年、ミックスもクリエイトの一環と捉えられてきています。

私の場合、勘と耳に頼っての作業ですが、もっと音響の勉強した方が、いい音で鳴らせるようになるかなあと感じています。

 

 

 

ニコニコ動画にヒアリングテストありました。コメント読んでるだけで笑えます。