コクシネルは、石川県小松市で’70年代に活動していた伝説のバンド「めんたんぴん」のメンバーの池田洋一郎さんが中心メンバーの、ニュー・ウェイヴ・バンド。
アルバム「ボーイズ・トゥリー」(‘86年) を見つけて、何気に聴こうと思いレコードを取り出すと、これがキレイなカラー・レコードでした。回すとグルグルと渦巻きに見えます。見た瞬間、購入当時の記憶が蘇りました。
調べたらこのバンド、現在も金沢で活動しているそうです。私も以前歌わせて頂いたライヴ・ハウス、「ミュージック・ベース・エクストリーム」で、不定期ですがライヴ活動を行なっているみたいです。
当時はそれほど聴かずに置いていたこのレコード、今聴くと淡々としたビートと声が気持ち良くて、さっきから何度もリピートしています。日本人離れした曲調と演奏です。ジョイ・ディヴィジョンを思い出しました。音も良いです。
おそらく当時は、起伏がなく地味に聴こえて、よく分からなかったのではないかと思われます。
ところでこのレコード、クレジットには、33 1/3 r.p.m. と記されているのですが、普通に33回転で鳴らすと、ボーカルが変な声に聴こえます。こういうバンドだし、こんなものかなと聴いていましたが、ふと思い45回転で聴いてみたところ、いきなりクールな女性の声でした。
単なるクレジットのミスでしょうか?それとも、敢えて33回転で聴いてもらいたくて、の表記なのでしょうか?面白いのは、どちらで聴いてもちゃんと聴けるところです。
B面一曲目「天と地の偶像」の歌詞が気に入っています。作詞は池田洋一郎さん。
天と地の偶像
私がずっと 不思議に思って いたことは
自分のやりたい ことを やらない人のこと
脳をマヒさせる雲が この街を 覆っている
あなたは 何か 信じられないと
いふような 顔つきで 死んでいった
白い煙突から あなたの灰が
広い空を越えて 舞い上がってゆく
ジッと見てると目がまわりそうになるレコードです。