今朝のYahoo!ニュースより。コメントにも上がっていましたが、先ず創作意欲が凄いです。きっと音楽を演ってるのが本当に楽しいんだろうなあ。私もこのように歳をとりたいです。
ところで、この「マッカートニー」シリーズです。あまり聴いてないポールさんのビートルズ以降の作品の中にあって、両方とも結構聴いています。特に「Ⅱ」は、当時好きだったニュー・ウェイヴ、YMO等のテクノポップの音触りもあり、リアルタイムでもよく聴いています。
例によって昔話になりますが (笑)。
高校生の頃、ポールさんが来日の際に大麻を持ち込んで逮捕されるというショッキングな事件がありました。私はこの頃、既にパンク/ニュー・ウェイヴに染まっていたのですが、この事件で「やっぱり向こうのロッカーは凄い!」と興奮して、その後出た「マッカートニーⅡ」を即購入しています。
この頃の私は、セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスがヘロインの打ち過ぎでショック死した新聞記事を、切り抜いて大切に保管してた程、破滅的?なものに憧れていたアホな少年だったので、「大麻」「逮捕」のインパクトは、かなりのモノがあったのでしょう (笑)。
ちなみに、その新聞記事の切れ端、実家にあるピストルズ「勝手にしやがれ」のレコードに、今も入っています (笑)。私の思春期の闇歴史の証拠物件?です。そういう勢いで買った「マッカートニーⅡ」なので、余計に愛着があるのかもしれません。
音楽的な話に戻ります。
という訳で「マッカートニーⅡ」は、「マッカートニー」の数倍聴いていて愛着もあるので、「Ⅱ」に話を絞ります。
このアルバムの前年に、ウイングス「グッドナイト・トゥナイト」、ソロの「ワンダフル・クリスマス・タイム」がリリースされていて、両曲とも大ヒットしました。
実はこの2曲、それまでのウイングスのサウンドとは趣きが異なり、当時の最先端のニュー・ウェイヴっぽい音に仕上がっています。
既にこの時点で、ポールさんはウイングスにストレスを感じていたのかもしれません。「グッドナイト・トゥナイト」は、そのすぐ後リリースされたウイングスの「バック・トゥ・ジ・エッグ」には未収録にもかかわらず、「バック・トゥ・ジ・エッグ」のどの曲よりも、クォリティーが高く聴こえます。
さすがに「原点に戻れ!」と名付けたアルバムには、ニュー・ウェイヴ調の曲は入れれなかったのではと推測します。
とはいえ「グッドナイト・トゥナイト」は、ニュー・ウェイヴ調の味付けはありますが、ベース・ラインは、ポールさんのオハコの、あのランニング・ベースで、それが見事に決まっています。この辺のバランスは絶妙です。この時点で音の指向性が、ウイングスの枠からはみ出していたんでしょう。
「グッドナイト〜」「ワンダフル〜」そして「マッカートニーⅡ」、私の中ではこの頃のポールさんの曲、ビートルズ以降だと一番好きですね。マッカートニーⅡ」以降、ジョンの死を経て、ポールさんは再び不特定多数向けの音を鳴らし始めます。
そう考えると、最初の「マッカートニー」も、ビートルズ・サウンドにストレスを感じてきたから、ああいう、ビートルズと真逆のレイドバックした音を鳴らしたのだと推測できます。
今回の「Ⅲ」も、何かの反動で作ったのでしょうか?私はずばり、コロナ禍の反動ではないかと思うのですが。そして音は、穏やかでオーガニックになるんじゃないか、と予想しているのですが。
いずれにしても、40年ぶりの、私的な「マッカートニー」アルバム。とても楽しみです。