【2020年11月21日】エレカシ宮本浩次のソロ・カバー・アルバムに思う 〜 エレファントカシマシの変革の時が近そうです

 

 

 

エレファントカシマシの宮本さんがカバー・アルバムをリリースされます。メジャーな方なので、最近いろんなところでそのニュースは目にしていますが、実は何となく違和感を感じていました。ところが、このインタビュー記事を読んで、そんな違和感が取れたというか、なるほどと納得しました。

 

 

 

 

エレファントカシマシは、遅れてきたパンク・バンド、早過ぎたグランジ・バンドとして現れました。

つまり、初期の過激さは、時代とは全く無縁な音を鳴らしていた訳です。そして私は、エレファントカシマシ4枚目のアルバム「生活」までは、それはもう熱心に聴いていました。以降の「5」「奴隷天国」「東京の空」も、?と感じつつも、ちゃんとアルバムを買って聴いていました。

 

 

本格的に?聴かなくなったのは、レコード会社を移籍してのシングル「悲しみの果て」、アルバム「ココロに花を」からです。

その音は、まるで違うバンドになったように聴こえました。

第一に、肝心のメロディにそれまでの「宮本さんらしさ」が全く感じられません。もしかしたらこの時に、「ロックスター」を演じ切って、音楽で飯をちゃんと食っていこうと、腹を括ったのかもしれないと思ったほどです。そのぐらいの変化でした。

才能に任せて好きに歌ってきたエピック時代の宮本さんが、契約を切られてレコード会社を移籍したその際に、より多くの人に聴かれる楽曲を作ることにシフトしたのではないかと。そんな事を勘ぐった程です。

 

 

 

それで、最近のソロ活動の音源を有線やネットで耳にする度に、エレファントカシマシとして日本の大衆ロック・シーンの最前線を駆け抜けてきた代償?として切り捨ててきた、宮本さんの豊かな音楽性の引出しが透かして見えるようで、実に興味深く感じます。

零れてしまったものが、ソロ曲のところどころで伺うことが出来るようです。

 

 

今回のこのアルバム、宇多田ヒカル「ファースト・ラブ」以外は、全て昭和の歌謡曲。しかも、星の数ほどある昭和のヒット曲の中で、以前私が当ブログ記事で上げた「昭和の歌謡曲★我が心のベスト・テン」と、2曲も被っています。シティ・ポップのベスト・テンで上げた「セプテンバー」を加えると、3曲です。被っていない曲も、私も好きな曲が多いです。

宮本さんと私は歳こそ近いのですが、そのルックス、性格や立ち振る舞い、音楽の趣向性その他、全く接点のない人だと思っていたので、とても意外でした。

 

 

しかも唯一の平成曲の、宇多田ヒカル曲が「ファースト・ラブ」というところが、また凄くよく分かります。もし宇多田さんの歌をカバーするなら、私も多分「ステイ・ゴールド」か、この曲です。というか、宮本さんも宇多田ヒカル、聴いてたんだなーと

 

 

 

 

つまり、今回の女性曲カバー・アルバム等のソロ・ワークは一種の禊というか、垢落としなのではと。

おそらくこの後もう一度、以前に売れなくてレコード会社が変わった時同様の抜本的な変化が、エレカシに、宮本さんに、訪れるような気がします。楽しみに待ちたいです。