CDが売れなくなり音楽市場の縮小が続いていますが、それはそれで、極めて健全な状態なのではと思います。音楽で、とんでもなく天文学的なお金を儲ける事が出来るって、そもそもおかしいのでは?と。
私は前々から、音楽が「タダ」に近づけば近づく程、そのクォリティーはどんどん上がっていくのではないかと、実は思っています。
音楽がタダに近づく程リスナーは増える→リスナーが増えればプレイヤーも増える→プレイヤーが増える=裾野が広がる→裾野が広がると頂上が高くなる。つまり、ハイレベルな音楽が増える。そんな理論からです。
ならば、その報酬が少ないと真剣にやる人も減るんじゃないかと思う方もいらっしゃると思いますが、そんな事は絶対にないと、何故か自信を持って言えます。
言葉の世界には、ストリーミングに似た機能として「図書館」というシステムがあります。読者は、本を所有せずに、そこに収められている書物はタダで借りて読み放題、というシステムです。
図書館が充実しているから本が売れない、などと言う文筆業者は、まずいないのではないかと思われます。むしろ、自分の著書が全国の図書館に置かれたら、いろんな方々に読んでいただけるので嬉しいと思う人の方が多いのではないかと。
音楽も、そのようになったらいいなあと思っています。
言語同様に、単なる所有される・消費される商品ではなく、個人に、そして社会に必要不可欠なコミュニケーション・ツールに。そして実際、今のこの時代の音楽は、そうなりつつあるのではと。
この図は、ノジマデンキさんのHPより。
ストリーミングとダウンロードの違いを、イラストで上手く説明しています。
バスタブに水を貯める (CDを所有したり、ダウンロードして自分のスマホに収めたり) のではなく、共有の水道 (膨大な音源カタログ) の、蛇口を捻ったらそこから水 (音楽) が湧き出てくる。そんなイメージです。
技術的には、ほぼ大丈夫ではないかと。あとは「お金」(=ヒトの倫理) がどう動くか、の問題ではないかと。