【2021年2月14日】YOASOBI「夜に駆ける」と自曲の転調について 〜 J−POPの常識をほんの少しだけ広げて

 

 

 

大ヒットしたYOASOBI「夜に駆ける」。私はこの曲のようにあからさまにエモーショナルな曲は、基本的にほとんど聴かないのですが、この曲に概視感ならぬ概聴感を覚えており、時々聴いています。(聴くので、以前のブログ記事にも上げたほどです)

 

 

それで今日も何気なく聴いていたのですが、偶然AIに誘導?されて観たこのYouTubeチャンネルで、ようやくその概聴感の謎が解けました。

 

 

「夜に駆ける」の”珍しい転調”を抜いたら凡曲になるのか?【YOASOBI】

 

(シェアして良いのか分からなかったので、タイトルのみ。興味ある方は↑で検索して閲覧下さい)

 

 

 

 

 

この曲はサビのところで2回転調しているのですが、その1回目の転調が、半音下のキーへの転調でした。このチャンネルの解説でも仰っていますが、ポップスではほとんど使われない半音下への転調、実は私は、自曲の常套テクニックとしてしょっ中使っていました。

「アヴェマリア」「金のメロディ〜」「ある夏の終わりに」「虹のメロディ」「祝福の歌」…、そして最近だと「暮れゆく夏の日に」「音楽」。

 

 

はじめてこのテクニックを使ったのは、最初のアルバムに入っている「アヴェマリア」です。

この曲を作った頃は音楽理論に全く疎かったので、「ここはちょっと下げたらいい感じに聴こえるんじゃないか?」と、単なる直感で使っていました。(いや逆に知らなかったからこそ、こういうタブーじみた転調を普通に行えたのかもしれません)

 

 

 

メロディを半音下へ転調するとどのように聴こえるかと言えば。

半音上や全音上への転調のように、グッと盛り上がる感じの逆。フッと力が抜けるような感じを、曲に与えることが出来ます。そんな効果が得られることを、数年前、曲を作りはじめた頃の私はある日発見?して、以来数曲、そんなメロディ展開の曲を作っている訳です。

 

 

YOASOBI「夜に駆ける」も、まさにそんな感じ。

エモーショナルなメロディが、最初の転調でフッと力が抜け、そのため次に鳴るサビメロが、Aメロから全音上げの転調に移る際、更にパワフルに聴こえます。私の曲は基本、下がったままなのですが (笑)、もう一度グッと上げるところが、この曲の非凡さを感じます。

この辺が、多くの人の心を掴む曲と、単にマニアックな曲との差なのではないかと。

言葉だけでは説明が難しいので、この辺は実際に上記サイトを観て頂けたら分かりやすく説明されています。

 

 

そのフッと下がるところが、まさに同様に半音下がる自曲の力の抜け具合と、部分的・瞬間的に似ていて (同じテクニックなので、似てて当たり前)、これはどこかで聴いたことが…、に繋がっていたのではないかと。解けると、な〜んだという単純な謎でした。

 

 

 

 

このYouTubeチャンネルへのコメントに、こんなのがありました。

 

 

なんだろう、半音下がることによって、アニメとかドラマの回想シーンで使われる「周りがボヤッとする画面のエフェクト」が曲にかかってるように感じる

 

 

いや、中々鋭いコメントです。言われてみると、歌詞と連動してまさにそんな感じを受けます。とても勉強になりました。