【2021年7月14日】レディオヘッド「Creep (Very 2021 Rmx)」を聴いて 〜 レディオヘッドの次のアルバムが聴きたいです

 

 

 

「クリープ」は、イギリスのロック・バンド、レディオヘッドの代表曲の一つ。代表的アルバムは?と言えば「OKコンピューター」「KID A」が挙げられますが、曲単体だと、初期のこの曲にもスポットライトが当たる、そんな曲です。

 

 

記事を読んで、早速ネットに上がっていたそのヴァージョンを見つけて聴いてみました。テンポを落として、スペイシーなシンセサイザーがバックで鳴っているこのヴァージョン、テンポが遅い分、メロディ・ラインが強調されて聴こえます。9分超えですが、普通に聴き終えて思わず溜め息が出ました。時代を超えた美しい曲だと、改めて感じました。

 

 

 

レディオヘッドと言えば、アルバムがリリースされる度に、時代を切り取るその音の革新性がいつも取り沙汰されますが、この曲「クリープ」をあらためて聴くと、私が耳を傾けてきたレディオヘッドは、そのサウンドよりも、メランコリックなメロディとトム・ヨークさんの絞り出すような高音ヴォイスだったのではないかと、ふと思いました。

思えば数年前の、トム・ヨークさんのソロ・アルバム「アニマ」にいまいち馴染めなかったのも、一聴してトム・ヨークさんが作ったと分かるあのメロディが足りなかったからではないかと。

 

 

 

昔から和洋問わず、ベテランになったら自身の音楽活動の総括の意味で、ストリングスをバックに過去曲をリメイクして歌い直す、というアーティストが、少なからずいらっしゃいます。

私ははっきり言って、そういうのには全く興味がないのですが、10数年前にジョニ・ミッチェルさんのそういうアルバムを聴いた時に、そのメロディの良さにあらためて驚いたことがあります。「トラヴェローグ」(‘02年) というアルバムです。

 

 

ジョニ・ミッチェルさんは、フォーク→ジャズ→ポップス…、その時代その時代にサウンド・スタイルを変えつつ、自身の音楽に拘ってきたアーティストです。それが、何故今ストリングス?ダサいんじゃないか?…、と、その時は思いつつも、いざ聴いたら、若い頃よく聴いていた曲たちの、そのツボのメロディ部分が純粋に抽出されていて、いたく感銘を受けました。

なるほど、メロディを聴かせるというのはこういうアレンジなんだなと。

 

 

 

この「Creep (Very 2021 Rmx)」を聴いていて、ふとそのことを思い出しました。

まさかレディオヘッドが、ストリングスをバックに自身の楽曲をリメイクすることはないと思いますが (笑)。でももしあったら、ぜひ聴きたいものです。

レディオヘッドの次のアルバム、メロディ回帰の曲たちにならないかなあ。トム・ヨークさんは、基本何でも出来るアーティストで且つ好奇心が旺盛なので、メロディにはそんなに拘りがないのかもしれませんが。