【2022年1月15日】21世紀のYMOたちに思う

 

 

 

よく言われることですが、人は14歳ぐらいに聴いた音楽を一生聴き続ける人が多いらしいです。ハイロウズの歌「十四才」(名曲です) ではありませんが、ロー 〜 ミドル・ティーンのこの時期は、一生の価値観を決定する瑞々しい感性が、ヒトに宿る季節なのでしょう。

というか、この頃から内面 (ココロ) は全く成長してないんじゃないか、とすら感じます。

 

 

と書いている私はちょうどこの頃、ポップス〜ロックを、乾いたスポンジが水を吸い上げるように、深く且つ幅広く聴いていた時期です。中2〜中3のこの時期、勉強もせずにラジカセとレコードばかり聴いていたのが、今になって心の大きな財産となっている訳です。

 

 

 

老齢 (失礼かな…) に足を突っ込んでいるYMOの3人ですが、細野晴臣・高橋幸宏両氏は ’10年代 〜 ’20年代になって、まさにそれぞれのルーツ的、十四才的な作品をリリースしています。全部聴いた訳ではありませんがそのクォリティは高く、特に細野さんは、今が一番の旬なのではと感じるほどです。

ソロ1stアルバム「HOSONO HOUSE」(‘73年) を打ち込みでリメイクした最新作「HOCHONO HOUSE」(‘19年) など、細野さんの最高傑作ではないかと思える程です。

 

 

 

療養中だった坂本龍一さんの活動のニュースが、昨年ぐらいからポツリポツリと流れています。

坂本龍一さんのルーツは現代音楽やドビュッシーです。そしてピアノです。

ゼロ年代の「キャズム」(‘04年) を最後にポップスのフィールドから離れて、以降どんどん現代音楽的な音響に傾倒していき、「アウト・オブ・ノイズ」(‘09年)「async」(‘17年) に至っています。つまり坂本さんも、原点回帰しているという事です。

 

 

私の好みはYMO時代と並行してリリースされていた初期のソロのような楽曲なのですが、おそらくああいう楽曲を手掛けることは、2度とないと思います。

今になって思いますが、よく細野・高橋両氏と一緒に演っていたなあと。今後もおそらく、ピアノ曲及び現代音楽曲を演っていくのでしょう。そうだとしても、坂本さんが元気でピアノを弾いているというニュースを目にするだけで、私は満足です。