【2022年1月21日】実験的音楽の面白さ 〜 例えは納豆の話で

いろいろと変な音を鳴らして「2022」の制作を進めていました。この曲に限らず、世の中には従来の音楽理論から逸脱した、いわゆる「実験音楽」が、個人の趣味のみならず、商業音楽としても少なからず流通しています。こんなの誰がお金払って聴くんだろ?と訝しく感じる、そんな音楽です。

 

 

 

話はコロッと変わりますが。

私は納豆が大好きで、特に冬場は、ほぼ毎日食べています。夏になると豆腐になります。肉類をあまり食べないので、貴重なタンパク源でもあります。

まあ実のところ栄養素はどうでもよく、私は単純に、その味が大好きなだけです。カイワレやネギを刻んで混ぜたり、イカ刺を入れてイカ納豆にしたり。どうやって食べても美味しい食材だと感じます。お酒のつまみにもご飯にも合います。

 

 

ここ数年でスーパーフードとして一気に地位?が上がった感のする納豆ですが、その納豆に関して、私には昔から素朴な疑問があります。

それは「誰が最初に食べたんだろう?「誰が最初に作ったんだろう?」です。

 

 

普通に、見て・匂いをかぐと、納豆を知らない人 (外国人など) は、絶対に単なる腐った豆だと思う筈です。そのぐらい、インパクト大です。

 

 

納豆が納豆たる食品となった過程には、いろんなことがあったと想像を掻き立てられます。もしかしたら偶然発酵した大豆を、取り敢えず罪人に食べさせてみたのかなあ、とか…。キノコが毒キノコと食用キノコに分けられた過程と同じく、そこにはヒトの深い業が感じられます。

 

 

 

実験音楽とはまさに、納豆と呼ばれて一般化する前の単なる発酵した大豆、あるいは、食用か毒持ちか分からない採れたてのキノコ、です。音楽理論として一般化されていない音です。

安心して食べられない (聴けない) 故に面白く、制作者の深い業を感じます。

 

 

夜10時、納豆を食べながらふと思ったことです。

 

 

 

 

 

若い頃聴いていた、実験音楽バンド「スロッビング・グリッスル」。

インダストリアル・ノイズの始祖的バンドですが、今聴くと普通にポップな音です。このあと何人ものアーティストを経由して、この音が一般大衆に流通する音楽として成熟していく訳です。彼らの音楽は、さっきの例えで言うと「納豆以前」の食品です。