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【2021年7月16日】THA BLUE HERB「COLD CHILLIN’」を聴く

 

 

 

THA BLUE HERB は、北海道札幌市を拠点に活動している孤高のヒップホップ・ユニット。このブログにも以前一度上げたことがあります。数日前に上げたラッパーの呂布カルマさんのニュー・アルバム「Be kenja 」(賢者になれ!) の、そのタイトルを地で行くかのような、叡智溢れた超クールな音とライムが魅力です。

 

 

この曲は暑中見舞いということですが、MVの舞台は真冬の北海道です。「涼しい」どころではありません。こういう曲を暑中見舞いとして上げてくるところが捻くれていて面白いです。

 

 

 

ところで、ヒップホップやレゲエというと暑い (熱い) 音楽のイメージを持たれている方が多いのではないかと思いますが、実際はそうではありません。むしろ、計算され尽くして、音をピンセットで摘んで作ったような緻密なビートを鳴らすアーティストが多いです。実は極めて数学的でディジタルな音楽なのではないかという気がします。

 

 

THA BLUE HERB もそんな人たちです。

この曲「COLD CHILLIN’」、ただでさえクールなビートに極寒の北海道の荒涼とした風景が被さるので、観ながら聴いているとまさにタイトルそのまんまな印象です…、と書ければいいんですが、実はこの曲、THA BLUE HERB にしては、結構情緒的で、聴きやすい曲です。クールというよりも、極寒の日々をそこはかとなく暖める焚火のような暖かさ (温かさ) が感じられる、そんな曲です。

 

 

 

とは言え、彼らが暑中見舞いのMVを作ってないとYahoo!ニュースにも上がらなかったと思うし、そしたら私もこの曲を知らないままだった可能性大です。ここは素直に?暑中見舞いとして受け取っておくのがいいのかなと。

この曲は、’19年にリリースされたセルフタイトルのアルバム「THA BLUE HERB 」に収録とのことです。久しぶりにアルバムを聴いてみたくなりました。

 

 

 

 

 

【2021年7月12日】呂布カルマのニュー・アルバムとAbemaTVのインタビューを観て

昨夜、AbemaTVのヒップホップ・チャンネルを覗いたら、呂布カルマさんのインタビューをやっていました。呂布カルマさんは名古屋在住のラッパーです。クールで且つ熱いライミングが魅力です。ラップする声が若い頃の坂本龍一さんっぽい (もちろん異論認めます) 渋い声質で、そんなところも好みで、時々ながら定期で聴いている理由でもあります。

 

 

インタビューを観ていて面白かったのは、ヒップホップ・シーンに一言お願いしますという設問に、「おっさん、がんばれよ」と即答していたところ。

この発言、ちょっと説明しておくと。

 

 

サラリーマンをリタイアした人たちこそ、自分の人生をラップにしたら面白いんじゃないか、セカンドライフにヒップホップを、という話でした。冗談を交えながらでしたが、結構本音で語っていたと、観ていて感じました。もちろん、自分 (呂布さん) 自身もオッサンであるというのを前提にしてのトークです。

ある意味、表現行為の核心をついた発言ではないかと感心しました。

 

 

 

若い頃からちゃんと表現出来る人というのは、単純に、想像力で無から有を産み出す才能があるからです。私にはそんな才能がなかったので、何も出来ませんでした。逆立ちして足の裏を叩いても、言葉のひとかけらも出てこない、そんな感じでした。

 

 

ところが人は、歳を重ねることによって、その人ならではの「経験」を得ます。

私の場合で言うと。フリーターやサラリーマンとして苦労して生きてきた社会経験。甘く・苦く・切ない恋愛経験。そしてリスナーとして数千曲・数万曲聴いたリスニング体験。数百冊・数千冊の読書体験。そんな「経験」を積めば、「才能」がなくても表現行為が普通に出来るようになります。(但し、やっぱりそこにはアウトプット・スキルを身に付ける努力が必要ですが)

セカンドライフこそ、才能などない普通の人でも表現行為が出来る、人生に於いて実りの時期なんじゃないか。呂布さんは、そういう事を言いたかったんじゃないかなと、観ていて思いました。

 

 

 

呂布カルマさんのニュー・アルバムのタイトルは「Be kenja 」。賢者になれ、です。

今のヒップホップ・シーンは「バカばっかり」と、おそらく冗談半分ながら、そして自虐も込めつつ語っていました。これからの時代は、賢くならないと生き延びれない、と。

なるほどなあと納得しながら、「Be kenja 」を聴いています。