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【2019年1月15日】デジタル・レコーディングと点描画 〜 19世紀の画家、スーラの点描画に学ぶ

タイトルだけで言いたいこと全てを語ったような気がします。ソフト制作は点描画のようです。

 

 

「点描は、絵画などにおいて線ではなく点の集合や非常に短いタッチで表現する技法である。」

 

ーーウィキペディアより

 

 

 

先日上げた新曲のレコーディングを始めました。今回のはテンポの遅いレゲエ曲です。ある程度音を入れてから聴きなおしてみましたが、どうも音が上手く混ざってなく、バラバラに聴こえます。ひとつひとつの音が立って聴こえるというか、繋がって聴こえません。

 

 

それでふと思ったというか、頭にイメージとして浮かんだのが、スーラの点描画。

スーラは19世紀のフランスの画家。名前は知らなくても、美術の教科書に載っているので (今はどうか知りません)、絵をみたら分かる人も多いのではないかと思います。私の好きな画家の一人です。

 

 

レコーディングを中断して、しばしネット・サーフィンしてみたところ、面白いサイトがありました。「MEWS (ミューズ)」という、アートのまとめサイトです。

その中の【必見!】スーラの点描画 もっと面白く鑑賞するための3つの知識」という記事で、スーラの点描画について言及されていました。

 

 

 

 

その最終章■作品の完成は、観ている目の中で創られる」から引用。

 

…スーラの点描画は、「光は色を重ねれば重ねる程明るくなる性質があります。それに対して色の重なりや混合は明度を下げ暗くする」という光彩理論に基づき、鮮やかな色を描くためには単色使いをすべきであると説いています。…

 

 

なんとなく、音もおんなじだなあと感じました。混ぜれば混ぜるほど濁っていくような。濁っていくというより、透明感がなくなっていくというか。

楽器だとそれが普通なのですが、最近の音源ソフトは、混ぜても濁らなく、というか、ちゃんと混ざリません。

 

 

ソフト制作、デジタル・レコーディングだと、音は「点」的です。以前にも書きましたが、だから甲本ヒロトさんは、アナログ盤のない音源は、CDをカセットテープに録音し直してから聴いているんでしょう。そして私の新曲はレゲエです。余計に点的に聴こえます。

スーラのこの絵「グランド・ジャット島の日曜日の午後」、すばらしい色使いですね。タブレットでみても凄いので、実際はもっと凄いんでしょうね。

 

 

 

今度の曲は、音は無理して混ぜず、点描画を意識して鳴らしたいと思いました。(イメージとしてです)

 

【2019年1月13日】先日の続き 〜 レゲエの魅力について、坂本龍一発言から

 

 

先日自曲のレゲエのグルーヴについて少し触れましたが、数日前に関連する興味深い記事が上がっていました。

坂本龍一さんがナビゲーターを務める「RADIO SAKAMOTO」で、編集者でライターの若林 恵さんをゲストに迎えてのお話です。

 

 

その話の中で “跳ね返される音楽” について言及されていました。

 

 

坂本:僕が跳ね返されたのはレゲエです。

若林:「レゲエ、わかんねえ」って感じですか?

坂本:わかんない。何がいいんだろうと思う。

若林:面白い。

坂本:たぶんいいんだろうと思って、わかんないんだけど聴き続けて、面白いってなるまでに2年かかりました。

 

「ある日突然、レゲエ空間が見えた。幾何学的な空間」と坂本。それ以来、レゲエを面白く聴けるようになったと言います。

 

 

面白くなるまで聴き続けたというのも凄いですが、この感覚はとてもよく分かります。面白くないなら聴かなきゃいいじゃないと思いますが、そうではなくて、「この音は絶対に良く聴こえる筈だ」「自分に必要な音楽だ」との確信が、何故か直感としてあっての事だと、そんな気がします。坂本さんのレゲエ場合、直感に意識が追いつくまでに2年かかったという事なのでしょう。私にも、そんな音楽は多々あります。

 

 

その、2年かかった結果が後々の音楽性に影響を与え、見事に花開いています。

坂本さんの初期のアルバム「千のナイフ」「B−2ユニット」は、それぞれレゲエ・ダブの影響が色濃く出ています。まさしく「レゲエ空間・幾何学的な空間」(レゲエの魅力を一言でまとめた、的を得た上手い表現だと感心) を感じさせる音楽です。それぞれ’78、’80にリリースされていますが、この時期にここまでレゲエ・ビートを地肉化していたのは、あとは細野晴臣さんぐらいじゃないかなあと。今のビート・ミュージックと一緒に聴いても全く色褪せて聴こえません。

 

 

坂本さんの曲はレゲエ調でなくても、鳴っていない筈のバック・ビートが強烈に感じられます。例えば「戦メリ」を、「エナジーフロー」を、頭の中でレゲエにアレンジして鳴らしてみて下さい。割と簡単に想像出来ますよね。坂本さんにとってレゲエは「必要な音」だったのでしょう。

 

 

 

 

軽快なレゲエ曲「ムーヴィング・オン」(‘94) を演る坂本さん。こういう曲をもっと作ってほしいんだけど、もうやらないんだろうなあ。。