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【2020年6月15日】人はなにをもってその個人になるのか?〜「如何様」書評を読んで

 

 

 

このタイトルは、本日のYahoo!ニュース記事である「高山羽根子『如何様』鴻巣 友季子による書評」のサブタイトルをそのまま引用しました。

記事の内容よりも、サブタイトル「人はなにをもってその個人になるのか?」に思うところがあって書いています。

 

 

 

「私とは?」は、古今東西、哲学の永遠の命題の一つです。このテーマは、哲学好きだった私の若い頃、じっくりと考えた事がありました。

当時聴いていたロックでも、ゲイリー・ニューマンさんや平沢進さんが、このテーマについて歌っていました。そういう時代だったのでしょう。

 

 

私は近年になって歌を歌い始めてから、このテーマの一つの答えとして、「表現する事によって、ヒトは『自分』になるのでは?」と考え、その思いを「鳥になって 魚になって」という歌にしました。

何と30数年越しに、自分なりの答えが出た訳です。この曲を作り終えた時の達成感は、結構格別のものがありました。

 

 

 

最近、人種差別問題がまたまたクローズアップされてきていますが、「自分」として生きることは、民族として、人種として、あるいはもっと絞っていくと、学生として、サラリーマンとして、家族の一員として…等の、社会的属性を意識して生きていくことと、ある意味真逆の行為のように思えます。だから「自分」に意識的な人は、組織に絡めとられる事を嫌がるのでしょう。

 

 

しかし実際のところ、「自分」はやっぱり、何らかの属性から逃れることが出来ません。何らかの構造の掌の上でもがいている存在です。(構造主義で嫌というほど語られています)

そんな中で、どうやって自由にしあわせに生きていけるのか?ーー その答えの一つを「鳥になって 魚になって」で表現したつもりです。

 

 

 

それでこの本「如何様」。「イカサマ」です。書評やあらすじを読む限りだと、月並みな言葉ですが、とても面白そうです。この書評を読んで、自曲「鳥になって 魚になって」を思い出し、絡めて考えてみました。

気になった方は、取り敢えずこの書評を読んでみて下さい。

 

 

 

「鳥になって 魚になって」は、こちらから聴けます。↓

 

 

 

 

 

【2020年5月23日】ステイ・ホームの今 〜 哲学がマイ・ブームです

 

 

 

ここ金沢市では、ようやく街の動きも少しは以前に戻って来つつあるように感じます。それでも、引きこもりグセのついた人もいらっしゃるのではと感じます。私がそうです。

 

 

私は以前から、仕事以外あまり外出していませんでしたが、更に外出の機会が減りました。それで、音楽制作以外、その増えた日々の時間に何をしているかというと、ネットで、バンドキャンプの新着音源のチェックと、哲学に関するWEBサイトのサーフィン、などをしています。

 

 

哲学というと、小難しく感じがちですが、そんな事はありません。私にとって哲学は「『モノごとに対しての考え』それ自体について考える」そんな学問と捉えています。

例えば、新型コロナウイルスについて。その対策を考える事ではなく、そもそも、新型コロナウイルスによって、ヒトが・自分が、得たもの・失ったものは何だろう?とか。もしかしたら、狩猟から農耕になった時のように、ヒトの生活様式の変容のタームなのでは?とか。

そう考える事が、哲学的思考なのではないかと。

 

 

 

私が名ばかりの大学生だった頃、流行もの好きな若者たちの間で「ニュー・アカデミズム」なるものが流行りました。構造主義とポスト構造主義を平たく説明した浅田彰さんの著書「構造と力」が、その流行の先端のテキストでした。

 

 

ことわっておきますが、私は決して頭のいい人ではないのですが、そんな私でも、この本は面白く読めました。つまり、そんな分かりやすさが、この本の魅力だったのでしょう。

構造主義・脱構造主義の入門書として、今読んでも読み応えがあるのではないかと。

 

 

今思うに、ニュー・アカデミズムは、「ある哲学を深く学ぶ」ではなく、「いろんな哲学を俯瞰して・つまみ食いして、考える」、そんな軽い切り口だったから、知的好奇心旺盛な若者たちが飛びついたのではないかと。

その頃の私は、時間もたっぷりあり、音楽の虫であると同時に本の虫でもあったので、流行に遅れまいと、いろんな哲学書を読み漁ったものです。

 

 

30年後の今、当時深く考えた哲学的思索は、何だかんだで間違いなく今の日常の判断を司る知的財産となって日々運用されている、という事。こう書くとちょっと大袈裟かな。。

ここでようやく冒頭のYahoo!ニュース記事に繋がりますが、「考える」という事は、とっても大事な事です。今更ながら思います。

 

 

 

 

ところで、今のマイ・ブームの哲学は、時間があるから何となく勉強しているに他なりません。そこが、純粋だった?若い頃と違うところ。

日常が平常運転になると、日々の些細な事に頭を悩ます事になり、また哲学から遠ざかりそうですが。

 

 

 

 

 

時が経ち、大量にあった哲学に関する本は、数年前のある日、全てリサイクル・ショップに売り払ってしまいました。どなたかが手にとって、その人の生活に少しでも役に立っていたらいいなあと思います。

そして今手元に残っている、そのうちの数冊は、おそらく今後も時々読み返す「一生本」なのではと。

 

 

そんな中の一冊。森敦さんの「意味の変容」。私が一番影響を受けた哲学書 (と言っていいのか。。) です。一時期、実生活を乗り切る指針にもなっていました。いわゆる哲学書ではなく、私小説としても読めます。

今読んでもやっぱり面白いです。死ぬまでに、この本をネタに何とか一曲作りたいです。