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【2024年1月18日】芥川賞受賞作「東京都同情塔」に思う

 

 

 

先日の芥川賞の受賞作「東京都同情塔」について、作者の九段理江さんがインタビュー中の「AI時代に小説を書く意味はどう考えているか」という質問に対して、このように答えられていました。

 

 

「今回の小説に関しては、だいぶAI、つまりチャットGPTのような生成AIを駆使して書いた小説でして、おそらく全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っているところがあるので。これからも利用しながら、かつ利用しながらも自分の創造性を発揮できるように、うまく付き合っていきたいと考えています」(記事より抜粋)

 

 

音楽や映画、アニメ等だと既に当たり前になっている生成AIの利用です。文学に使用されるのも別におかしな事ではないと、私は思うのですが、文学好きの方々からは非難轟々みたいです。

幾つかの記事のコメント欄を読んでいて、私が中学生〜高校生の頃に登場したYMO (イエロー・マジック・オーケストラ) が、大人の音楽ファンや評論家に「機械に演奏させるなど音楽ではない」的な、的外れな批判が噴出していた事を思い出しました。

 

 

綿矢りささん以来、芥川賞受賞作を読んでいませんでしたが、今回の「東京都同情塔」、久しぶりに読んでみたくなりました。そういえば綿矢りささんも九段理江さんも、女性ですね。女性の方が頭が柔らかいのかな?と短絡的にふと思った途端、いや、すぐそうやって性差に結びつける事こそが、頑固な男性的ステロタイプな思考に陥っているんだよな、などと思ったり。

 

 

【2023年12月3日】我が心の「ゲゲゲの鬼太郎」

 

 

 

私の幼少時のヒーローは、当時大人気だったウルトラマンでも仮面ライダーでもなく、ゲゲゲの鬼太郎でした。幼稚園児の頃、鬼太郎に憧れて、顔が隠れる程長いあの髪型とちゃんちゃんこを真似たチョッキを着て、得意げにポーズをとっている写真が残っていた程です。

 

 

この記事は、鬼太郎の相棒?であるねずみ男についての考察です。私のようなロートルのファンにはとても楽しく読めました。コメント欄で「ネズミ男は水木さんの中の『日本人』っていうのを聞いた事あります。。」というのが上がっていました。「上に媚び諂って、下を見下して、ヨイショが上手くて…」なるほどです (笑)。もう一つ付け加えるなら「自慢話をする」でしょうか (笑)。

 

 

 

よく知られた話ですが、作者の水木しげる先生は、出征して片腕を無くして帰ってきました。戦争体験で「人間ほど怖い生き物はいない」と思ったそうです。水木先生にとって妖怪の世界は、慣れ親しんだユートピアのような世界だったのかもしれません。

 

 

人間の怖さを感じさせる最近の事例に、SNSによる誹謗中傷、があります。古代の世界では「呪術」というのがあって、呪いで人を死に至らしめた、という話を、子どもの頃に何かで読んだ事があります。その時は、呪いなんかで人が死ぬのかなあ?と、半信半疑でしたが、今になって、なるほどと納得しています。SNSの誹謗中傷は、まさに大昔の呪術だなあと。

 

 

 

ゲゲゲの鬼太郎、気になってYouTubeを検索したら、結構たくさんの話が上がっていました。何と今世紀になっても新しいシリーズが放映されて人気を博していて、私のような子どもたちって、たくさんいるんだなあと、ちょっと感慨深く思った次第です。