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【2017年5月31日】書き言葉、話し言葉、そして歌い言葉

以前、毎日ブログを書くのは自分の心を整理整頓しているみたいだと書きました。
実際のところ、毎日更新する度に読み返していて、必ず何がしかの発見があります。自分のブログの一番のフォロワーは、自分かもしれません。
ところで、もう一つ思った事があります。こうして自分の心を探りながら言葉を重ねていくのは、歌の歌詞を書くのと似ているなあという事です。

 

最初は人に話すように気楽に書いていこうと始めたのですが、続けていくにつれ、どうも話す言葉と書く言葉とは、大きなギャップがあるのではと思えてきました。
一番の大きな違いとして、書き言葉は書き直す事が出来る点です。書き直せるので、書いた後も、これでいいのかと考えてしまいます。結果、自然と内容が深くなっていきます。
これは善し悪しで、当ブログを何回か読んだ事がある方は感じた事があるかもしれませんが、考えすぎて書いたので、よく分からない内容になったのもあります。

 

そして私にとって、歌詞も書き言葉の一種です。
私の場合、メロディやビートに導かれて、どこからともなくやって来て、それを何とかまとめるという感じです。歌いながら書いたり、書いた後に声を出して歌ったり。ここが、通常の書き言葉と大きく異なる点です。話しながら書く、みたいな。

 

あと声で表現するので、韻を踏んだり発声のニュアンスなど工夫したり。書き言葉だと、句読点の場所を考えるのと、ちょっと似てるかもしれません。
そして書いた後に歌う段階になると、何も考えずに発声するので、人に伝える「話し言葉」に近くなります。
そう考えてから、歌は自分の中では「歌い言葉」というジャンルで括っています。

 

話すこと・書くこと同様、歌うことも、その人それぞれの能力の範囲内で、誰でも出来ることです。普段の生活で、話し言葉と書き言葉を使い分けているのと同じように、そこに歌う言葉が加われば、コミュニケーションは更に豊かになるのではないでしょうか。

 

子どもの頃、歌はもっと日常的でした。
音楽は情操教育に大変効果的なので、保育園・幼稚園などではしょっ中音楽的な教育がされています。単純に歌を歌うだけでなく、数を覚えるのに歌ったり、絵を描くのに歌ったり、お遊戯をしたり。そして日々の遊びの中にも歌や踊りがあったり… 。(そう。歌同様、ダンスもすごく重要!)
いずれも、小学生になったら教わる時間が大きく減ってしまうのが、非常に残念です。
今の世の中、大人にこそ歌が必要なのではと、いろんな場面で思う事があります。いがみ合うより、歌って踊って、です。

 

歌がもっと日常的になれば、いろんな (良い) 意味で世の中も変わっていくと思うのは、単なる音楽好きの戯言でしょうか?

 

 

洋楽アーティストには、メロディに沿わず、話すように歌う方々がいます。私が若い頃から馴染んでいるのは、 ボブ・ディランとルー・リード。
聴いていると誰でも歌えそうですが、自分で歌いはじめてから、あのボーカル・スタイルは、とんでもないセンスとスキルがないと出来ない事が分かりました。
画像はルー・リードの1983年のライブDVD。ルー・リードの長い活動歴の中でも、この頃のバック・バンドの音が、個人的には一番好きです。アルバムだと「ブルー・マスク」〜「ニュー・センセイションズ」。

【2017年5月30日】ジャケ買い〜ジャケがいい!

先日の続き。HARD-OFFで、JamStationと一緒にジャケ買いしたCDです。

 

 
買ったCDは、エドウィン・モーゼス「エドウィン・モーゼス」(’00) 。ジャケ買いはあまりしないのですが、これはピンッときました!
分かる人にしか分からない凝りようです。そしてジャケットはインディーズなのに、お金のかかるデジパックです。買ってから分かりましたが、内ジャケもかなり凝ったものでした。

 

 
音はといえば、ボトムの効いたドラム&ベース+ストリングス+カッティングのリズム・ギター、が基本の、古き良き’70年代のスイート・ソウル・ミュージックへのリスペクトでした。アレンジが、オザケンの最新曲「流動体について」を連想しました。ジャクソン5みたいな曲もあります。(この辺もオザケンっぽい)
買って聴いてから気付きましたが、ジョニ・ミッチェル (’70代に名曲を数多く残したシンガー・ソング・ライター) の「ヘルプ・ミー」もカバーしていました。このカバーのチョイスも、いかにもという感じです。

 

何度か聴くうちに興味がわき、気になってネットで情報収集しました。
そもそもエドウィン・モーゼスという名は、元陸上競技障害種目の選手の名前で、このアーティストと何の関係もありませんでした。しかも、ソロかと思ったらバンドでした。70年代無名に終わったソウル・ミュージシャン「エドウィン・モーゼス」の再発盤、というコンセプトで活動している (いた?)、スペインのバンドだそうです。
内ジャケに載っているのは、架空のディスコグラフィーで、架空のジャケ写付きです。更に、ジャケットに入っているブックレットに書いてある内容は、これまたモチロン架空の、モーゼスの伝記だそうです。(上の画像のジャケット下)
ホントに凝ってますねーー(笑)。ちなみに、これは1st.アルバムでした。

 

格差社会・貧困社会のスペインで、この知的遊びゴコロはちょっと意外です。
勝手な想像ですが、きっとちゃんと生活してて、生活だけでなくココロにも余裕がある、そんな人たちのバンドなんでしょうねー。いや、ほんとに大したものです。
誤解のないように言っておきますが、これは皮肉ではなく褒め言葉です。

 

2nd.アルバムは、私のアルバムと同じレコード会社から発売していました。更に親近感が湧きましたので、他のアルバムも聴いてみようと思います。
何度かアルバムを聴いて思ったのですが、ボーカルがもう少し上手くて、メロディ・ラインがはっきりしていて、派手なアレンジだったら、似たような音楽性のジャミロクワイの数分の一でも売れていたかもしれません。

 

こういう、遥か彼方で音楽を奏でている異国の無名のアーティストのアルバムに、ブラリ歩いていて突然出会えたりするので、やっぱりリアルのショップは捨てがたいですね〜。