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【2017年5月27日】AIと音楽、その可能性

本日27日、囲碁の世界では、世界最強の囲碁棋士、中国の柯潔 (カケツ) 九段 (この方もまだ10代!) が、米グーグル(Google)傘下のベンチャーが開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁(AlphaGo)」に敗戦。3番勝負は全敗となりました。Yahoo!ニュースで見ました。
囲碁や将棋のAIは、ドッグイヤーどころか、まさにマウスイヤーの進化ぶりです。

 

以前、当ブログで「音楽の世界で、AIが、心に響く素晴らしいメロディーを、素晴らしい歌詞を、書く日が来るのでしょうか?」(4/24「将棋」)と書きましたが、あっさりと来そうな気がしてきました。以下、その理由。

 

AIが得意としているのは、囲碁や将棋などのボードゲームのように、ルールが100%明確化されていて、それに従って行う労働です。
逆にいえば、ルールが曖昧で、突発的な何かが起きる事が想定される労働 (例えば今ちょっとした話題になってる、車の運転など) には、その対処が瞬時には困難な為、不向きです。(あくまでも、今のところは)

 

以前に、将棋の第一人者である羽生三冠は、コンピューターに勝つにはの問いに、「ルールを変えればよい」と、多分冗談半分で仰っていましたが、これはある意味、AIの弱点の本質を突いている答えです。
特定のある駒の動きを、ちょっと変えるだけで、コンピューターのソフトはプログラミングし直しになりますが、人間だと割と早く対応出来ると思います。

 

音楽でも、優れた即興演奏はAIには難しいと思いますが、ポップスだと、BPMやリズム、コード、使用楽器や曲構成などを、パターン化してプログラミングすれば、今の技術だと出来そうだと思います。あとは、それが良いものであるかどうかという判断が、AIに出来るかどうかという問題です。そしてそれが難しいんですが。
そこは人間が判断すればいいのではと思われるかもしれませんが、「創る」というのは、最終判断まで行う事ですので。
この判断に関しては、囲碁や将棋のAIで成功しつつある「ディープラーニング」(長くなるので、興味がある方はお調べ下さい) という手法で学習させれば、不特定多数にウケる「美メロ」「人間っぽいグルーヴ」は、ある程度まで、達成出来そうです。がしかし。

 

けれども、これは確信持って言えますが、私はAIのメロディではなく、人間のメロディに耳を奪われると思います。これにはちゃんとした理由があります。今回はただでさえ長いのに、更に長くなるので、別の機会に触れたいと思います。

 

ところで将棋だと、10代からAIに馴染んでいる棋士と、従来の研究からAIとの研究に途中から切り替えた、つまりは従来の棋士とでは、将棋の質自体が変化しているそうです。

音楽制作もAIが普及して、子どもの頃からAIのメロディに馴染んだアーティストが出てくると、その音楽の質は大きく変わるのではないでしょうか。AIそのものの音楽より、私はそっちを聴く方が楽しみです。

 

AIに「負ける」のではなくて、AIがヒトの頭脳の可能性を広げるのではないでしょうか。AIに職が奪われる問題も、AIに既存の頭脳労働を任せておいて、人間の頭脳は更に新しい職を生み出すと思うので、全然大丈夫だという気がします。これに関してはいろんな意見があると思います。いかがなものでしょう?

 

未来の事を考えるのは楽しいですねー。(現実逃避?)

 

コンピューター・ミュージックの元祖、クラフトワーク。これはライブの画像です。YMOはクラフトワークの影響大ですが、YMOとは、似て非なる音楽です。
テクノポップについても、いずれちゃんと書きたいと思っています。

【2017年5月27日】天才とは!?

「天から与えられたような、人の努力では至らないレベルの才能・その人を指し、主に極めて独自性の高い能力的業績を示した人を評価したり、年若いのにあまりに高い才能を示した人への賛辞的形容に使われる。」(ウィキペディアから引用)

 

先日25日に将棋の世界で、天才の呼び声の高い中学生棋士、藤井四段がまた勝って、デビュー戦以来公式戦19連勝を飾りました。すごい事ですね。藤井君がデビューしてから、将棋がいきなりメジャーになった印象があります。
勝負の世界だと実力が成績と直結するので、その天才性は分かりやすいのですが、音楽など、表現の世界の天才とは、どういう人をいうんでしょうか?ちょっと考えてみました。

 

私が思うに、表現の世界の天才とは、

 

・早熟。
・創作意欲が尋常ではないので、超多作になる。
・自分のルールで自由に創る〜今までみた事のない世界を表現〜結果的に新しい表現スタイルやジャンルを生み出す。
・その作品は唯一無二でありながら、普遍性も獲得している。(時の流れで風化しない)

 

というイメージ。蛇足ですが、負の要素として
・創作活動に全神経が集中している為か、一般常識 (金銭感覚など) が欠如しがち。

・創作活動で生命力を一気に燃焼させる為か、上記の一般常識の欠如で、自分の身体を顧みない為か、夭逝される方が多い。

 

昔から数ある天才の人生の物語にふれる度、その人生が作品創作の奴隷になっているというか、私のような凡人たちの生け贄になっているというか、なんか薄幸なイメージを受けます。その見返りとして、どんなに多くの人からリスペクトされ、どんなに金銭の報酬があっても。

 

天才とは?の問いに、私の世代の洋楽ファンだと、好き嫌いは別として、去年残念ながら亡くなったプリンスを挙げる方が多いかと思います。
そのプリンスの出世作「パープル・レイン」が、リマスター音源と未発表曲を含む3枚組+DVDのセットで、6月に発売されます。4月に発表されてたそうですが知りませんでした。早速先日TSUTAYAで予約しました。
夭逝しても作品は永遠に残ります。しっかり受けとめるのが、残されたファンの役割ではと思います。

 

 

 

 

一番聴き込んだアルバム「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」(’85) から、「ポップ・ライフ」の12インチ・シングル。この曲は特によく聴きました。
このアルバムと、「ラヴセクシー」(’88)「サイン・オブ・ザ・タイムス」(’87) が、マイ・ベスト・スリーです。共にLPで買いましたが、擦り切れるまで聴きました。

 

プリンスのアルバムは、CDで発売されはじめたのが、その「ラヴセクシー」からで、それ以前のアルバムは後からCD化されたのですが、アナログ盤に比べて音質が落ちているような気がしました。今となっては比較できないので、実際はどうなのか分かりません。気のせいだったりして。
今度の「パープル・レイン」のリミックス盤、音質面でもとても楽しみです。