本日27日、囲碁の世界では、世界最強の囲碁棋士、中国の柯潔 (カケツ) 九段 (この方もまだ10代!) が、米グーグル(Google)傘下のベンチャーが開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁(AlphaGo)」に敗戦。3番勝負は全敗となりました。Yahoo!ニュースで見ました。
囲碁や将棋のAIは、ドッグイヤーどころか、まさにマウスイヤーの進化ぶりです。
以前、当ブログで「音楽の世界で、AIが、心に響く素晴らしいメロディーを、素晴らしい歌詞を、書く日が来るのでしょうか?」(4/24「将棋」)と書きましたが、あっさりと来そうな気がしてきました。以下、その理由。
AIが得意としているのは、囲碁や将棋などのボードゲームのように、ルールが100%明確化されていて、それに従って行う労働です。
逆にいえば、ルールが曖昧で、突発的な何かが起きる事が想定される労働 (例えば今ちょっとした話題になってる、車の運転など) には、その対処が瞬時には困難な為、不向きです。(あくまでも、今のところは)
以前に、将棋の第一人者である羽生三冠は、コンピューターに勝つにはの問いに、「ルールを変えればよい」と、多分冗談半分で仰っていましたが、これはある意味、AIの弱点の本質を突いている答えです。
特定のある駒の動きを、ちょっと変えるだけで、コンピューターのソフトはプログラミングし直しになりますが、人間だと割と早く対応出来ると思います。
音楽でも、優れた即興演奏はAIには難しいと思いますが、ポップスだと、BPMやリズム、コード、使用楽器や曲構成などを、パターン化してプログラミングすれば、今の技術だと出来そうだと思います。あとは、それが良いものであるかどうかという判断が、AIに出来るかどうかという問題です。そしてそれが難しいんですが。
そこは人間が判断すればいいのではと思われるかもしれませんが、「創る」というのは、最終判断まで行う事ですので。
この判断に関しては、囲碁や将棋のAIで成功しつつある「ディープラーニング」(長くなるので、興味がある方はお調べ下さい) という手法で学習させれば、不特定多数にウケる「美メロ」「人間っぽいグルーヴ」は、ある程度まで、達成出来そうです。がしかし。
けれども、これは確信持って言えますが、私はAIのメロディではなく、人間のメロディに耳を奪われると思います。これにはちゃんとした理由があります。今回はただでさえ長いのに、更に長くなるので、別の機会に触れたいと思います。
ところで将棋だと、10代からAIに馴染んでいる棋士と、従来の研究からAIとの研究に途中から切り替えた、つまりは従来の棋士とでは、将棋の質自体が変化しているそうです。
音楽制作もAIが普及して、子どもの頃からAIのメロディに馴染んだアーティストが出てくると、その音楽の質は大きく変わるのではないでしょうか。AIそのものの音楽より、私はそっちを聴く方が楽しみです。
AIに「負ける」のではなくて、AIがヒトの頭脳の可能性を広げるのではないでしょうか。AIに職が奪われる問題も、AIに既存の頭脳労働を任せておいて、人間の頭脳は更に新しい職を生み出すと思うので、全然大丈夫だという気がします。これに関してはいろんな意見があると思います。いかがなものでしょう?
未来の事を考えるのは楽しいですねー。(現実逃避?)
コンピューター・ミュージックの元祖、クラフトワーク。これはライブの画像です。YMOはクラフトワークの影響大ですが、YMOとは、似て非なる音楽です。
テクノポップについても、いずれちゃんと書きたいと思っています。