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【2017年12月31日】「焚き火」制作日誌です 〜 その⑥ ようやく完成しました!

「焚き火」ようやく完成しました!毎年必ず食べているお蕎麦も食べに行かずに作業をしていて、もう少しで年を越すところでしたが、これで気分良く新年を迎えることが出来ます。書き始めたこのブログも、何とか今年中にアップしたいです。

 
今年5月リリースのアルバム以降ちゃんと完成させる事が出来たのは、何とこの曲のみです。ブログでも度々歌詞やコード表などを上げていたように、決して作ってなかった訳ではないのですが、全て中途半端になっています。
原因は分かっています。こうして毎日ブログを更新し始めたからです。以前よりも、日々考える事がものすごく増えてしまい、自分の音楽すらも作りながらあれこれ考えてしまい、あえて途中で中断した曲も多々あるからです。でもこうして一曲作れてよかったです。来年度は月に一曲づつのペースで、作りかけの曲をどんどん仕上げていきたいと思います。

 

 

 

ところで、前回の制作日誌にも書いた焚火の音ですが、レコーディングの為じっくり聴いていると、一聴するとランダムに鳴っている筈のパチパチ音が、長い時間聴き続けると、ある一定の周期で、音がリズミカルに循環しているように聴こえてきます。躍動感すら感じてきます。だから、ずっと聴いていると、気持ち良くなってくるんですね。
人を癒すとされる「f/1ゆらぎ」とはこういう現象を指すのだと、今ようやく実感しました。

 
最近の音楽は、その制作過程がどんどんミクロ化されてきて、数十分の一や数百分の1、ビートをズラしたり、ボーカルの音程を、半音のそのまた数分の一修正したりなど (私の機材では両方とも出来ませんが) 、細部へのこだわりが尋常ではなくなってきています。

 
だからという訳ではありませんが、このような焚火の音や炎の揺らぎのように、大きな時間の流れで気持ち良さを感じさせる音楽が、少なくなってきているような気もします。歌も演奏も、ナチュラルに揺れるのは少なく、実にきっちりと聴こえます。
個人的には、ボーカルなどは部分部分修正してキレイに聴こえるよりは、生々しく揺れている方が好きなのですが。かつてのブライアン・フェリーさん (ロキシー・ミュージック) の揺れ動くボーカルなど、波のように気持ちよく聴こえました。
そんなこんなで、考えることも多かった、この「焚き火」制作でした。

 

 

 

 

画像だけでも。。

 

【2017年12月30日】多分今年最後のジャケがイイ!(第9回) 〜 ジャー・ウォーブル&キース・レヴィン「EP」

のっけからなんですが、今回はいつも以上にマニアックな話です。

 

 

 

このアルバムは厳密に言えばジャケ買いではありませんが、ジャケットで購入を決定したので、一応ジャケ買いという事で。
ジャー・ウォーブル&キース・レヴィンは、今やジョン・ライドンのソロ・プロジェクトと化しているパブリック・イメージ・リミテッド (PIL) の元メンバー。そのPIL史上最強のアルバム「メタル・ボックス」(’79) 時のメンバーです。
このアルバムは発売当時は賛否両論でしたが、今の耳で聴いても全く色褪せてなく、というか、今聴くとポップにすら聴こえます。まさに時代を先取りしていたんだと思います。

 

 
私はこのアルバムのベース音が大好きで、低音のボリュームを上げて大音量で聴いていました。私以外にもそうやって聴いていた人は少なからずいたと思います。部屋全体が重低音で震えていました。
そのベースを弾いていたのが、ジャー・ウォーブル。そしてその上に乗ってフリーフォームな音で弾きまくっていたのが、ギタリストのキース・レヴィンです。

 

 
ジャケットは全面に紙ヤスリが敷き詰められていて、ドゥルッティ・コラムの1st.アルバム「ザ・リターン・オブ・ザ・ドゥルッティ・コラム」(’80) を思い出しました。以前に当ブログでも触れましたが、このアルバムも、全面ではありませんがジャケ表面に紙ヤスリを使用していました。

 

 

このジャケットを見て「ドゥルッティ・コラムの二番煎じ?」と思ったのは私だけではなく、当時を知る人は皆思った筈です。何故なら、PILとDCは、同じ頃同じニュー・ウェイヴ・シーンで、新しい音楽を創り出すのに悪戦苦闘していた盟友?だったので、PILの連中がDCを知らない筈はありません。面識はなかったかもしれませんが。
それからまたすぐに思ったのは、「もしかしたら『メタル・ボックス』の二番煎じ的な音かな?」です。「あの頃の音」の二番煎じを演るので、ジャケットも、あの頃一番インパクトのあったやつのを、ちょっとパロってみようか、的なノリで決めたのかも。実際の音もザラザラと紙ヤスリっぽいし。このジャケットだと、分かる奴はピンときて、買ってくれるんじゃないかと、そんな思いもあったりして。などなど。

 

 
そう思って購入して聴いたら、やっぱりという感じで、「あの頃の音」でした (笑)。まさしく紙ヤスリにザラザラと神経を擦られるような音。
そして何度か聴いて思ったのは、「メタル・ボックス」が、あんなに過激な音像にもかかわらずポップに聴こえたのは、ジョン・ライドンのボーカルに依るところが大きかったんじゃないかという事です。

 

 

PILの「メタル・ボックス」の次のアルバムは「フラワーズ・オブ・ロマンス」(’81年) で、こちらはベースのジャー・ウォーブルが抜けて、音は更にアヴァンギャルドで、当時のロックの極北のような音なのですが、やはりジョン・ライドンのボーカルにより、ちゃんとポップのアルバムとして聴くことが出来ます。

 

 

両方のアルバムとも、当時の音楽雑誌などではサウンドばかり評価されていたような気がしますが (私もそう。当時、半分は音楽雑誌の受け売りで聴いていたので) 、最大の魅力はボーカルにあったんじゃないかと、今メタル・ボックスを聴き返して思いました。ジョン・ライドン抜きの「メタル・ボックス」は、こんな感じになるのかなあと。
今更ながら、ジョン・ライドンは偉大だったんだなあと、このCDを聴いて再確認しました。

 

 

 

(余り触れていませんが、このCDも中々良いです。)