賃労働でイラストレーターを、音楽制作でキューベースをと、日々PCソフトを使って (ソフトに使われて?) いる、このところの毎日ですが、遂に「ソフト病」の症状が日常に現れました。
新曲のコードを書いたメモ帳の、そのコードを大きく手直しする際、一瞬ですが「あ、デリート、デリート」と、デリートキーを探しそうになりました。
直ぐに現実に戻って、ボールペンで書いたものは二度と消せないので、結局書き直しました。
以前にゲーム好きな職場の同僚が、ドラクエにハマって寝ても覚めてもやっていて、何かやらかしたらついリセットしたくなるんで困ったもんだと言ってたのを思い出しました。
その時は笑い話ですんだのですが、まさか自分もそうなろうとは、です。
イラストレーターやキューベースを使っていて一番便利に思うのは、とにかく「やり直せる」という点です。上手くいかなかったらやり直せばいい、そんな考えで進めるので本当に便利です。
ところが当たり前の話、現実の世界はやり直しの利かないことの方が多いのです。まだバーチャルに馴染んでいない私ですら、現実をリセット出来ると錯覚に陥りそうになった位ですから、人格形成期からゲームやPCに馴染んでいる世代の人たちは、この「やり直しの利かない現実世界」を、どう捉えているのか、推して知るべしです。
そしてインターネットの世界も、決して「向こう側」の世界ではありません。バーチャルで遊ぶことも出来る、単なる「現実世界のいちツール」です。そう認識していないといけないかなと。ネット初心者ながら、そう感じます。
昨今の凶悪犯罪をみると、昔からの凶悪犯罪動機の定番である恨みや男女関係のもつれではなく、ただ何となくやってしまった、という事件が多いのに驚きます。
年若き犯人たちの頭には、「やり直しの利かない現実世界」を、どのように捉えているのでしょうか。人を殺してからあわててリセットキーを探しても手遅れなのですが。
別にバーチャルの世界に馴染むのがよくないという訳ではありませんし、凶悪犯罪の犯人たちがみんなリアルに生きていないのではというつもりもありません。
ただ私が経験した、現実世界にリセットキーを探す行為から思いを巡らしただけですが、全くの無関係でもないかなと思ったので。
記事の富山市は、私の実家の隣の都市。災害も犯罪も決して他人事ではありません。