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【2019年10月28日】「メロウ・マイケル・ジャクソン」を聴く 〜 移ろいゆく声・サウンドの貴重な記録

数ヶ月前に、ジャケ買いでちょっとだけ触れた「メロウ・マイケル・ジャクソン」(‘09年)。ティーネイジャーのマイケル・ジャクソンさんの、メロウな曲を集めた企画物です。たまたま先日、山下達郎さんのDJ番組を耳にして、また思い出したように聴いてみました。

 

 

 

曲のクレジットをみると、‘70年〜’75年。前回記事のオールディーズからポップスへの音の進化がよく分かるアルバムです。そしてマイケルさんの声も一年ごとに変わっていくのが、これまたよく分かります。変声期の真っ最中時期の曲たちです。そんな移ろいでゆく時期の、貴重なCDです。

 

 

移ろいでいるのは、サウンドや声だけではありません。曲想自体も、ジャクソン5時代のスタンダードなR&Bスタイルから、人種・年齢問わずに愛される、大ブレイク以降のポップスへの橋渡し的なものが多く、いろんな意味で安定していないところが、このアルバムの最大の魅力なのではないかと感じました。

 

 

このアルバムの白眉は、おそらく声変わりの終了間際だと思われる時期に歌われているバラード「ワン・デイ・イン・ユア・ライフ」。

後年の「ヒューマン・ネイチャー」「バタフライ」等に通じる美メロと、完成されつつある声が見事にマッチングした素晴らしいナンバーです。昔から好きな曲だったのですが、こうして時系列に沿って聴くと、感慨もひとしおです。

 

 

 

曇り空が続いた後の、久しぶりに天気のいい今朝。朝日で輝く景色を見ながら聴いていますが、景色同様キラキラと輝いて聴こえる、そんな曲たちです。

 

 

 

 

 

朝日をライティングに利用して撮ってみました。

 

【2019年10月27日】久しぶりにFM「山下達郎のサンデー・ソングブック」を聴く 〜 「僕の中の少年」から30年を経て

2時過ぎに、お昼を食べる為に車に乗ったところ、カーステレオからオールディーズが流れてきました。運転時、いつもは自分のセットリストを聴いているのですが、今日は車検で代車に乗っていた為FMを流していました。

 

 

もしやと思い聴いていると、山下達郎さんの声が流れてきました。日曜日のこの時間といえば、「山下達郎のサンデー・ソングブック」です。そうか、まだやってたんだと、感慨深く耳を傾けました。急いでコンビニでお昼を買って、車内で食べながら聴いていました。

 

 

以前仕事の休みが日曜日だった頃、午後1時からユーミンの番組 (名前忘れました)、そして2時から、サンデー・ソングブックを聴いて過ごすのを日課にしていました。その頃のことを思い出しました。もうかれこれ数十年前のことです。

 

 

 

サンデー・ソングブックでかかるのは、ほぼオールディーズ。つまり’50年代〜’60年代の洋楽です。このオールディーズというのが、実に不思議な音楽です。

私が中学生・高校生の頃、既に’50年代〜’60年代の洋楽をオールディーズと呼んでいました。そして当時 (‘80年前後) の音楽と明らかに違う意識で接していました。

今にして思えば、たかだか10数年前の音楽を、当時の「今」の音楽と分けて聴いていたのです。それだけ音楽 (と音質) の進化が激しい時代だったのでしょう。

 

 

今でもオールディーズのあのAMラジオのようなこもった音を聴くと、無条件に懐かしく感じてしまいます。それは私が小学生の頃にAMラジオをよく聴いていたからだという気がします。

AMラジオを知らない今どきの子がオールディーズを聴いたら、どんな風に聴こえるんでしょうか?やっぱり懐かしく感じるのでしょうか?ちょっと興味があります。

 

 

 

ところで久しぶりの達郎さんのDJ。相変わらず音楽愛に溢れていて、あのハリのある声も変わってなくて一安心しました。

私が達郎さんを聴き始めたのはいい大人になってからです。レンタル・ショップでバイトをしていた頃に、バイト仲間の大学生がよく店内BGMでかけていた「僕の中の少年」(‘88年) がすっかり気に入って、結局購入して聴いていました。

 

 

このアルバムについて達郎さんは「…でも、『POCKET MUSIC』やこの作品は自分のアイデンティティというか、思想的なものを滲ませたいと目論んだから、その分、苦労せざるを得なかった。…」(ウィキペディアより) と語っています。

仰る通り、内省的で深い曲が多く、だからこそ内省的なロックばかり聴いていた当時の私に馴染んだのだと思います。後半の4曲ーー「ルミネッセンス」「マーマレイド・グッドバイ」「蒼氓」「僕の中の少年」は、耳にタコが出来る程聴き込みました。

 

 

 

「サンデー・ソングブック」を聴いていて、あれから30年も経ったことなどなかったかのように感じました。まるで昨日のようです。

30年前もオールディーズは懐かしかったし、深夜の今、この記事を書きながら聴いているアルバム「僕の中の少年」は、懐かしの微塵もなくリアルに響きます。

 

 

 

 

 

特にラス前「蒼氓」、ラスト「僕の中の少年」が美しいです。

ジャケットがなかったので、動画から。