数ヶ月前に、ジャケ買いでちょっとだけ触れた「メロウ・マイケル・ジャクソン」(‘09年)。ティーネイジャーのマイケル・ジャクソンさんの、メロウな曲を集めた企画物です。たまたま先日、山下達郎さんのDJ番組を耳にして、また思い出したように聴いてみました。
曲のクレジットをみると、‘70年〜’75年。前回記事のオールディーズからポップスへの音の進化がよく分かるアルバムです。そしてマイケルさんの声も一年ごとに変わっていくのが、これまたよく分かります。変声期の真っ最中時期の曲たちです。そんな移ろいでゆく時期の、貴重なCDです。
移ろいでいるのは、サウンドや声だけではありません。曲想自体も、ジャクソン5時代のスタンダードなR&Bスタイルから、人種・年齢問わずに愛される、大ブレイク以降のポップスへの橋渡し的なものが多く、いろんな意味で安定していないところが、このアルバムの最大の魅力なのではないかと感じました。
このアルバムの白眉は、おそらく声変わりの終了間際だと思われる時期に歌われているバラード「ワン・デイ・イン・ユア・ライフ」。
後年の「ヒューマン・ネイチャー」「バタフライ」等に通じる美メロと、完成されつつある声が見事にマッチングした素晴らしいナンバーです。昔から好きな曲だったのですが、こうして時系列に沿って聴くと、感慨もひとしおです。
曇り空が続いた後の、久しぶりに天気のいい今朝。朝日で輝く景色を見ながら聴いていますが、景色同様キラキラと輝いて聴こえる、そんな曲たちです。
朝日をライティングに利用して撮ってみました。