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【2020年8月28日】何故CDなのか?〜 校庭の片隅に埋めたタイムカプセルを思う

ようやく全楽曲のマスタリング (2MIX) が終了。あとはエンジニアさんにCDプレス用の最終処理をお任せします。

 

 

 

 

この半年、実家に帰るとアナログ・レコードを聴いています。全て処分したと思っていたのですが、偶然押入れの奥から大量の段ボール箱が出てきて、校庭の隅に埋めたタイムカプセルを掘り起こした時の気分とはこういうものかと、見つけたその時思ったものです。

 

 

 

思えば、持っていた数百冊の本や数百枚のCDも、50代になってから、リサイクル・ショップに売りに出しています。こちらは自ら売りに出したので、100%戻ってきません。

 

 

今手元には、CDはそれでも数百枚、本は数十冊残っています。

おそらく、その残っているCDや本こそが、今後も何度も聴いたり読んだりする、自分の人生にとって本当に必要なコンテンツなのでしょう。私はアナログ世代の人間なので、必要なコンテンツは物質化したものを置いておきたいのです。

 

 

実は念のために、CDを売る際に、もしかしたら聴くかもとPCに落とした音源も多いのですが、聴き返したのはほぼ皆無です。なので、PC内は聴かない楽曲の墓場のようです。PC内ではアーティストの怨念が渦巻いてるかも (笑)。ポリスのアルバム・タイトル「ゴースト・イン・ザ・マシーン」をふと思いました。(実はこのアルバムも、PC内で眠り続けている 笑)

 

 

 

今の時代、音楽も本もデジタル化されて、昔とは比べものにならないくらいに安価で (そして無料で) 接することが出来ます。

それでも、ひとりの人間が生きる人生の時間は、今も昔も全く変わりません。1日は24時間だし、1年は365日。そして人生も、長生きして100年。

 

 

つまりは、自分にとってほんとうに必要なものをちゃんと見極めないと、逆に、多くの無料コンテンツに、気付いたらふらふらと自分の貴重な時間を浪費させられる、そんな羽目に陥ります。多くの人々が、YouTube等で気付いたら数時間過ぎていたという経験をしているかと。

しかも心底感動出来たのならいいけど、結局は単なる時間潰しでしかなくて。

 

 

そういうことに気付いたから、大量の本やCDを処分したのでしょう。いわゆる断捨離をしたかったのでしょう。歳を重ねたうえでの取捨選択です。

 

 

 

 

自分の楽曲は、そういう意味では、自分にとって必要というより分身的なコンテンツです。ある意味、必要以上に重要。デジタル音源だけでも、サブスク等で流通出来るのですが、物質化してのこしておきたい。

だからCDにするのでしょう。単なる自己満足です。小学生の頃に校庭の隅に埋めた、タイムカプセルのように。

 

 

 

 

 

【2020年8月26日】ビリー・アイリッシュ「マイ・フューチャー」本人出演のMVを観る

YouTubeを閲覧していたら、ビリー・アイリッシュさん「マイ・フューチャー」の、アニメ版ではなく本人出演のMVが上がっていました。

アニメの方はしょっ中観ていて、聴けば聴くほどにいい曲だなあと聴き惚れていたのですが、この本人出演の方も、素晴らしい出来。

 

 

このMVは、アメリカ合衆国の民主党全国大会での「マイ・フューチャー」初パフォーマンス映像。

ポップ・アーティストの政治絡みでのパフォーマンス、日本では相変わらずご法度ですが、欧米諸国ではごく普通にライブや発言があり、この辺、国民性の大きな違いを感じます。

 

 

例によって、何を歌っているのかは英語なので分かりませんが、アニメのMVを観ながら察するところ、スローな前半は現状を憂いでいて、ビートが入る後半は希望を歌っているんじゃないかと、勝手に推測して聴いています。

こういう、想像力で歌詞を補って聴くことの出来るのは、英語の分からない日本人の特権ではないかと。(と開き直ってみたり 笑)

 

 

それで、そのライブMVです。

最初から最後まで、特に凝った仕掛けもなくシンプルな映像なので、だからこそよけいにビリーさんのパフォーマンスが際立って観れます。

 

 

前半のピアノ弾き語りでは、殆ど目を閉じて歌っています。この様子とボーカルに、ニュー・オーダーのバーナード・サムナーさんをふと思い出しました。

バーナードさんは、最初から最後まで、ほぼ目を瞑ってのパフォーマンスです。

目を瞑って歌うということは、単純に、観客に向かって歌うというより、自分の世界にすーっと入っていくという感じでしょうか。

 

 

そして、ビートが入って曲が開けた瞬間、閉じていた目を開いて、スッと立ち上がって歌い始めます。この瞬間がとてもカッコよくて、何度も観てしまいます。

瞳を開いて世界と対峙し始めるという感じ。

 

 

 

私はアメリカの政治状況には、1ミリの興味もありませんが、最近気になる歌をうたうテイラー・スウィフトさんやビリー・アイリッシュさんが、こぞって反トランプを表明しているのをみると、自分に選挙権があったら、思わずバイデンさんに投票してしまいそうです (笑)。