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【2020年9月30日】ジャケット制作、バンドの人間関係、そしてニュー・オーダーの新曲

ジャケット制作が佳境に入ってきました。デザイナーさんとの日々のやりとりで、ようやく全体像が見えてきた感があります。

 

 

コミュニケーションをとりながらの制作は、大変ながらも、スリリングで面白いと感じます。何故なら、自分の想定外のイメージが、他者から生まれるからです。そしてそのイメージから、また自分のイメージを加えて…。キャッチボールのようです。

 

 

そういえば、楽曲も同じです。「限りなく穏やかに」も、g君のギターから、ギターソロのイメージが湧き、イントロのイメージが湧き、完成に至りました。時間と手間はかかりますが、他者とのコラボは得るものが大きいです。

 

 

 

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何かの拍子に知人としていた話。

日本のロックバンドって、一般的に有名なバンドは、ワンマン的なバンドしかないよね〜、という話です。サザン、ミスチル、エレカシ、バンプ、スピッツ、くるり…。あ、セカオワは違うかな。

ワンマン、だと語弊があるので補足すると、曲を作って歌う人、演奏する人、の完全分業制、です。

 

 

これが欧米のロックバンドだと、ビートルズやクイーンを挙げるまでもなく、メンバーそれぞれのキャラが立ちまくっていて、ぶつかり合っているバンドが多い。実際、仲が悪いと公言しているバンドも昔から多々ありました。インタビューでメンバーの悪口言いまくってたり。

 

 

 

日本人の大物バンドで、メンバーの悪口言いまくってるバンドって、聞いたことありません。(まあ水面下では分かりませんが。。)

日本人の場合、仲が拗れたら即解散、もしくは脱退、的な雰囲気があるので、バンド存続の為、皆、一線を引きつつ・メンバーのテリトリーを尊重しつつ、コラボっているのでしょう。これは、日本人の良いところでもあります。

 

 

ところが、創作となると、やはり面白いのは、個性と個性が正面からぶつかり合って、ああだこうだと陰険になって作る作品です。

 

 

ポリス、ニュー・オーダー、レディオヘッド…。レコーディング時に思いっきりぶつかっているバンドほど、メンバー同士の化学反応が大きく、すごい作品が生まれている気がします。

だけどきっと、かかるストレスは凄いだろうなと思います。上記のバンドのキャラ立ちメンバーたち、皆んなメンタル強そうですよね。。

 

 

 

それで、締めにニュー・オーダーの画像入れようとしたら、何とビックリ!5年ぶりの新曲「ビー・ア・レベル」がYouTubeに上がっていました。

 

 

早速聴いてきました。時の流れを感じさせない?いつものニュー・オーダー節なのですが。。ケンカ別れしたフッキーの、あのベースがないので、ごくごく普通のポップスに聴こえます。まあ、バーニーの歌が聴けただけで良しとせねば。。

やっぱり、対人関係からの化学反応って、凄く重要なんだなあと。

 

 

 

 

 

【2020年9月28日】山下達郎「ポケット・ミュージック」「僕の中の少年」リマスター盤リリースされます

 

 

 

「ポケット・ミュージック」は’86年、「僕の中の少年」は’88年に、それぞれリリースされています。私の中のタツロー・ツー・トップのアルバム2枚です。

クールな音に熱いボーカルが魅力のタツロー・サウンドですが、この二枚はシンガー・ソングライター的な思想・内省も加わっていて、翳りも感じます。当時の私のようなロック好きの耳にも届きました。特に「僕の中の少年」は、ホントによく聴きました。

 

 

 

達郎さんと言えば、昔から音に対する拘りが厳しいことで有名です。パーソナリティーであるFM番組「サンデー・ソングブック」でも、オールディーズの音源をご自身のマスタリングでオンエア向けに最適化して流している程の拘り具合です。

そんな達郎さんが、この2作をどのようにリマスターするのか、とても興味深いところです。

 

 

 

この2作の特徴は、レコーディング機材がアナログからデジタルへの移行期に制作されている事です。この辺の経緯は、ウィキペディア「ポケット・ミュージック」「僕の中の少年」項にかなり詳しく記されているので、興味ある方はそちらをご覧ください。

 

 

完璧なまでに完結した音世界を誇るタツロー・サウンドの中で、この2作は、アナログとデジタルの狭間で制作された為、唯一?スキが多く、前述したように個人的な匂いの強いアルバムであり、そんなところが逆にファンの耳を捉えているところなのではないかと。

 

 

完成度は、ポケット・ミュージックの前作で、アナログ・レコーディングの集大成「メロディーズ」や、「僕の中の少年」の次作「アルチザン」以降の作品と比べると落ちるのですが、アナログ音像とデジタル音像のせめぎ合いが、とても興味深く聴こえます。

 

 

 

それぞれのアルバムの大トリ曲「風の回廊」「僕の中の少年」では、両曲とも、まるでスライ&ファミリー・ストーンのようなベースラインが、サウンド全体を引っ張っています。

このベース・ラインが、ガチガチのデジタルな音像であるところが、今聴くと、とてもユニークです。

個人的には、こういうデジタルなベースのフレーズが引っぱる曲、あと数曲あればと思うんですが、それぞれのアルバムに1曲づつというところが達郎さんらしいです。

 

 

 

今、タツロー・サウンドを聴き返して、唯一時代を感じさせるのは、全体にエコー成分が多いところです。特に、ボーカルに掛けるエコーです。

今どきのポップ・ミュージックは皆、エコーをあまり掛けなくなってきています。これは、今どきのリスニング環境が、スピーカーからヘッドフォン/イアフォンに変わってきているからではないかと。

 

 

逆に言えば、このエコーが、タツロー・サウンドのウリでもあるのですが。

果たしてリマスターされる「ポケット・ミュージック」「僕の中の少年」、どのような音像になっているのでしょう?