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【2021年2月24日】文化は継承される 〜 洋楽ライブ復活の日を待ちます

 

 

 

私が初めて観た外タレのライブは、19歳、中野サンプラザでのパブリック・イメージ・リミテッド (PIL) です。

当時のPILは、いわゆる新しい音好きのロック・ファンの間では神格化された人気を誇っていました。しかし、主力メンバーが相次いで抜けて、オリジナル・メンバーはジョン・ライドン一人。この来日公演もバックはスタジオ・ミュージシャンの演奏で、公演後のメディアやファンの反応はかなり厳しい、そんなライブでしたが、私は大満足したのを憶えています。

 

 

今の日本人のミュージシャンで、洋楽体験のない方は先ずいらっしゃらないのではないかと思えるぐらいに、洋楽は日本人に浸透してきました。きました、と過去形なのは、ここ十数年でリアルタイムの洋楽を聴くリスナーが、大きく減っているからです。そして昨今のコロナ禍が、そんな状況に追いうちをかけています。

 

 

音楽に限らず文化は、異世界のものが混じり合いながら、折衷して、進化していく、そんな過程でここまできています。人の身体だって、その種族に新しい血が入らないと、免疫力が低下していきやがて滅んでしまいます。(なので世界各国に共通して、婚姻制度や近親相姦タブーが存在するらしい)

人の心も、そして音楽も、混ざらないと身体同様に滅んでしまうのではないかと。(というか、音楽=人の心)

 

 

そんな意味もあって、コロナ禍で洋楽鎖国状態が続くと、そのうち人々が奏でる音楽や聴かれる音楽が大きく変わっていくような気がします。良い意味で変わればいいのですが、自閉して小さくまとまってしまうーーそんな危惧を感じます。

 

 

幸いなことに、音楽は時空を超えて私たちに届きます。生身の身体での演奏に触れられなくても、CD、レコード、インターネット等で、いくらでも触れることが出来ます。

 

 

 

それでもーーやっぱり生演奏・生歌唱は最高です。

冒頭のPILのライブ、当時もしコロナ禍で公演中止で行けなかったとしたら。その後来日した、バウハウスやニュー・オーダーのライブも行ってなかったとしたら。

自分自身の今後の人生は、少なからず変わっていたのではないか、と想像します。

 

 

 

外タレのライブを体験出来る日々が、一日も早く来ることを祈ってーー。

(以前と同じ形で、は、もう無理な気が。まあそれも「進化」と捉えないと)

 

 

 

 

 

そのPILライブを思い出しつつ、2年程前に書いた「たったひとつの言葉を探して」。

残念ながら発表するには至っていませんが。

 

 

【2021年2月23日】ダフト・パンク解散

 

 

 

ダフト・パンクが解散した。何故、今?という感じだが、だからこそダフト・パンクらしい。

 

 

ダフト・パンクは、一見誰でも出来そうに思えるようなコロンブスの卵を次々と生み出していき、その地位を確固たるものにしたという、後にも先にもいない稀有なアーティストだと、私は思っています。もちろんその音楽は、出来そうと思わせるだけで誰でも出来る訳がないからこそ、画期的で素晴らしいんですが。

 

 

今となってはラスト・アルバムになってしまった、’13年の「ランダム・アクセス・メモリーズ」。客演しているのがジョルジオ・モロダー、ナイル・ロジャースで、その客演曲の音の感触はモロに’70’s、’80’sですが、やっぱり’13年の最新型ダフト・パンクの音です。

なんというか、’70’s・’80’sのミュージシャン自体をサンプリングして、自分たちの楽曲で鳴らしてみた、そんな趣きが感じられます。

 

 

引退するそうですが、二人のソロ・ワークを聴きたいファンは世界中にいるのではないかと。私もその一人です。気長に待ちます。