この本の最終章の最終節は、こんなタイトルと文章です。
音楽とは、私たち人間にとって一体どういうものなのか?
それは、人間が生まれてから死ぬまでの限られた時間と空間の中で感じる「恐れ」「喜び」「悲しみ」といったさまざまな情感をこの瞬間の「生」の中で感じるために私たちが生み出したもの。それは、「食」の快楽とも「性」の快楽ともまったく違う「幸福感」を私たちに与えてくれるものでもある。…
最終章まで読み進めたら、何と!大昔にFM番組「サウンドストリート」で「ロッキング・オン」の渋谷陽一さんが熱く語っていた事と異口同音のような結論でした。渋谷さんは、レッド・ツェッペリン「天国への階段」の歌詞を引き合いに、音楽のパワーについて極めて文学的に語っていました。私が高校生だった頃です。
人は皆、偶然この世に生を受けてオロオロと迷いながら気づいたら死んでいる、そんな不条理とも言える生への逆襲たりうるのが音楽なのでは。そんなふうだったかと。数10年前の事なので細部まで憶えていませんが、大筋は間違いないと思います。
以前書いた事がありますが、いろんな音楽の中でも特に、ファンクやレゲエ…その他数多のブラック・ミュージックは、「この最高の一瞬」を切り取ってリピートする、そんな音楽です。我々の生が「線」ではなく「点」(つまり一瞬) の連なりである事を、ファンクやレゲエを聴いていると、実感として身に染みて感じます。
自曲も、一瞬一瞬をもっと突き詰めて音を鳴らさないと。まだまだ甘いなあ…。そう思います。
(今回はちょっと読みにくい文章かもしれません。このテーマでそのうち再度書いてみようと思います。)