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【2022年5月31日】AIの美意識について考える

 

 

 

以前、将棋の羽生善治先生がAIの指し手を評して「人間の美意識とちょっと違う」と仰っていたのを読んだ事があります。面白い言い方だなあと思ったものです。

 

 

そう言えば、羽生先生とは棋力が天地の差ほどある私でさえ、大昔から使われている「矢倉囲い」「美濃囲い」(将棋の陣形です) 等は、ヴィジュアル的にも美しく見えます。あと「詰むや詰まざるや」の最終盤も。

プロの棋士同士が戦う盤面は、私は頭がよくないので手はさっぱり読めませんが、只々美しいなあと感じます。

棋士の対局の所作や姿勢と盤面の美しさ、それだけを見ているだけで、将棋は面白いなあと感じます。(注:羽生先生は指し手そのものを言っていて、囲いだけを言及しているのではありません)

 

 

 

日本刀の美しさ。私は、機能美を追求したらあの形になったのではないかと思って読み進めていたら、どうもそうではないみたいです。

 

…数学のように問いと答えが1対1にならないところが面白さでもあり、日本刀の魅力を難解にしている点でもあります。

 

ーー本文より抜粋

 

 

 

その美意識ですが、これは個人的な感覚というより、数百年あるいは数千年もの年月でDNAレベルで培われたものではないかと。日本刀も、もしかしたら最新のAIが設計したものの方が、あと数百年経つと、人々は「美しい」と感じるかもしれません。

将棋で言うと、例えば藤井聡太さんなどの若手棋士たちは、羽生先生等ベテラン棋士たちが「人間の美意識とちょっと違う」と感じる手を、もしかしたら美しいと感じているかもしれません。それが、ヒトの進化というものなのかと。

 

 

例によって音楽と絡めてみますが、音楽とAIの関係も同様かもしれません。今はまだ、ビートルズや美空ひばりの情報をインプットして、AIが分析してアウトプットしている状態です。つまり、単純に人間の美意識をなぞっている、そんな段階です。

しかしそのうち、音の響きそのものを解析して、ヒトの神経に直接作用するようなーー例えばヒーリング・ミュージック等で、AIが独自で産み出す音楽が、さほど遠くもない未来には時代を席巻するかもしれません。それは、今まで聴いたことのないような音楽ではないかと、勝手に思っています。

 

 

【2022年5月29日】「渚にて」完成しました ・:*+.\(( °ω° ))/.:+

結局、仮に入れた歌の出来がよかったので、そのテイクをそのまま採用する事にしました。「宇宙」もそうでしたが、こういう事は時々あるものです。

 

 

このニュー・バージョンは、先ず以前のバージョンのテンポを大きく落としました。これで雰囲気が随分変わったように感じます。テンポを落として、歌を入れてから、入っている楽器音の見直しを行いました。先ずはベースの音質をイコライザーで変えました。あとはリズム隊と歌を鳴らしながら、その他楽器音を調整して、完成にこぎつけました。

 

 

 

ところで、前回は小説「渚にて」について少し触れましたが、その続きを少し。

少年の頃の私は「SF的なるもの」に興味があり、その類の小説やマンガを読み漁っていました。以前に「火の鳥」「銀河鉄道の夜」等について、当ブログ記事に書いた事もあります。(「銀河鉄道の夜」はSFではありませんが)

 

 

とは言っても、SF的な物語全てが好きだった訳ではありません。今思うに、好きだったのは全て、命の儚さ、を扱った物語だったような気がします。「渚にて」も、まさにそんな物語です。

今では活字を読むのが億劫になってしまった程、文学的感性は衰えてしまいましたが、せめて自曲を作る際には、少しでもSF的な思考を張り巡らせて言葉を絞り出したいものです。