「渚にて」は、’57年に発表された、ネヴィル・シュート作のSF小説。’59年には映画化されて全世界で大ヒットしています。

この小説は、核戦争〜人類滅亡を粛々と描いています。私が読んだ翻訳本は、ちょっと前に当ブログに書いた、それこそ絵に描いたような翻訳調の文体でかなり読みにくかったのですが、それを差し引いてもほんと面白いです。読んだ時期が最も多感な中学生だったので、余計に心に響いたのだと、今思います。半世紀前の小説ですが、今の時代に読むと余計に考えるところも多いのではないかと。

「海岸にて」を作りながら・聴き返しながら・リミックスしながら、いつしか中学生の頃に読んだこの小説の事を思い出していました。そして、「渚にて」に影響されて、核戦争で私が人類の生き残りの最後の一人として海辺に立っている、そんな状況を想像して、トラックを作り直していました。そのトラックは、どんどん混沌としていっています。

という訳で、タイトルを「渚にて」に変えました。「舞踏会」「草枕」に続いての、文学三部作という感じでしょうか。今回は歌詞の引用はありませんが、朗読はちゃんとあります。

今朝、仮歌を入れました。しっかり練習して、本番に備えます。

「録れコン2022」での入賞で、いつも楽曲を送っている方々や身内等への報告を終えてから数日。受賞曲「宇宙」も1分半ですが島村楽器さんのSoundCloudに上がっていて、今見たら190回程再生されていました。

それで、数人の方から祝福の言葉と一緒に曲の感想も頂いたりしたのですが、大体が「歌」「歌い方」についてでした。歌の入った楽曲、つまり歌曲は、9割がたの人は歌メロと歌唱 (声) に耳がいく、と昔から言われていますが、まさにその通りだと思い知りました。

私としては、この「宇宙」、実は歌唱よりも島村楽器さんのSoundCloudでフェイドアウトして聴けない、1分30秒以降の曲展開及びサウンド作りに苦心したのですが、その1分半バージョンを聴いてみると、後半パート、なかったらなかったで、いけるんじゃないか？そう思えてしまうから、不思議なものです。

ともあれ、お聴きしてお言葉をかけて頂いた方々には、本当に感謝しています。あらためまして、ありがとうございました。

↓   ↓   ↓   「宇宙」こちらから聴けます。

録れコン2022 結果発表