先月終わりに出来た「うたの花」、あらたにメロディとコードを加えてみました。この曲は「Gメジャー・セブンス」ワンコードの上に構成音がたった3音のメロディが乗るという、極めてミニマルな構成の曲です。サンプリング音でアクセントをつけていますが、それでも単調に聴こえます。まあそこが良いところでもあるので、特徴を薄めないように聴きやすく工夫してみました。
作曲する殆どの人は、曲作りに慣れてくるとコードをたくさん使った曲を作る傾向があります。最初はスリー・コードで作っていた人が、数年後にはたくさんのコードを駆使して曲を作ったりしています。
と他人事のように書いていますが、私もそうです。理由は簡単で、いろいろなコードを使った方が曲が作り易いからです。そしてもう一つ、たくさんのコードは複雑な曲想を容易に (=安易に) 表現出来るからです。
しかし、コードをたくさん使うという事は、パレットの中の絵の具の色が増えた、使える絵筆が増えた、という事と同様で、それがイコール、音楽性が向上したという事ではありません。良い曲になるという訳ではありません。
たくさんの絵の具を使った絵が、白黒の水墨画に比べて質が高いのか、と問われれば、それは論点が違うのではと誰もが思う筈です。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの楽曲はツーコードだからこそ美しく、「ペット・サウンズ」は、聴き取れない位山ほどの音やコードを使っているから、儚く美しい楽曲が成立しています。つまり、それぞれです。
というような事をツラツラと考えながら、手直しを行っています。特に〆切を設けてはいないので、いろいろ試しながら気長に進めていこうかと思います。