歌いながらリリックを手直しをして、また歌って、また直して、の繰り返しの末に完成しました。この曲「FURUSATO」は前作「歳、重ねるにつれて…」と違ってヒップホップ・テイスト曲です。
ところでヒップホップについて。ヒップホップは単なる音楽スタイルではなく、ファッションやダンス、生活や生き方、等、ひっくるめて成り立っています。そう、大袈裟ではなくひとつの思想であり文化なのです。
文化としてのヒップホップの大きな特徴は、自分の属する「コミュニティ」をリスペクトするところです。実は若い頃の私がヒップホップを聴き始めて、そういうところがヒップホップに最も違和感を感じたところでもあります。
私は人とつるむのが苦手で、友人をつくらずいつも一人で行動していました。家族とも一時期疎遠になっていた時期もありました。と書いていて、やっぱり自分とヒップホップ的な価値観とは、大きく違っているなあと、今やっぱり思います。
しかし今や音楽としてのヒップホップは、欧米では最もポピュラーな音楽スタイルとして、ライトな音楽ファンにも幅広く聴かれています。完全にポップスのいちジャンルとして根付いています。私のように考えながら演る人も聴く人も、今は少ないのではないかと感じます。
私は家族や友人やコミュニティから離れてみて、はじめてそれらの有難さが分かりました。いかに私がバカだったか、という事なのでしょう。人は、一人では生きていけません。
この曲は、上記のヒップホップ的価値観を踏まえてリリックを書きました。私の曲の中では突出して情緒的な歌になり、ちょっと気恥ずかしいのですが、まあたまにはいいかなと。