ゴールデン・ウィーク、久しぶりに実家に帰省して、例によってレコードを聴いています。今回は、私が少年時代、お小遣いを貯めて生まれて初めて買ったLPレコードを聴き返しました。

イーグルス「ホテル・カリフォルニア」(‘76年)
2枚目の購入以降は何を買ったのか順番は全く憶えていません。中学1年生もしくは2年生の頃です。ちなみにシングル盤はもう少し前のクイーンかKISSだったと思いますが、記憶が定かではありません。
このアルバムの購入を決定した理由は、何と言ってもタイトル曲でシングル曲「ホテル・カリフォルニア」が大好きだったからです。この曲は当時の日本の洋楽ヒットチャートで、トップはもちろん、半年ぐらいトップ10ぐらいに居た程の大ヒットだったと記憶しています。もちろんエアチェックして毎日聴いていました。
ところがいざ購入してアルバムを通して聴くと、1曲目「ホテル・カリフォルニア」と、2曲目「ニュー・キッド・イン・タウン」以降の曲とのあまりの落差に愕然としてしまいました。正直言って2曲目以降は退屈で全く面白く聴こえませんでした。当時の私の耳ではタイトル曲以外の、もろウエストコースト・サウンドの曲調は全く理解出来なかったという訳です。
このアルバムは2500円でした。当時の中学生としてはかなり高額の買い物です。損をする訳にはいかない、元を取ろうと、それこそ毎日A面アタマからB面ラストまで聴き続けました。そのお陰で、そのうち全曲理解出来ました。
そうしているうちに、好きな曲も数曲見つかりました。特にB面ラスト「ラスト・リゾート」はある日突然大感動した曲です。あと、2曲目「ニュー・キッド・イン・タウン」もです。この曲は購入当初、最もつまらない曲だったのですが。
それから、洋楽ロックの歌詞の良さに触れたのもこのアルバムからです。それまではラジオやシングル盤で音を楽しむだけでした。
当時は日本語の訳詞がライナーノーツに付いていないアルバムが多く、この「ホテル・カリフォルニア」も、レコードには英語詞しか記されていませんでした。どんな事を歌っているんだろうと、英和辞典を片手に必死に翻訳したのも、今では思い出の1ページです。
上記の「ラスト・リゾート」は、曲がスッと入ってきてから気になって慌てて歌詞を訳してみたら、やっぱり凄く良い歌詞で驚きました。そういう意味では2度別角度から感動した曲です。
このレコードを購入以降、お小遣いはパンク/ニュー・ウェイヴ、テクノ等のレコードに消えていく事になります。私が再び「ホテル・カリフォルニア」のアルバムを聴くのは、それから20年以上経ってからの40代になってからです。
何気に中古CDで購入した「ホテル・カリフォルニア」は、レコードを買った当時に聴こえた退屈な音とは全く違って聴こえました。当たり前ですが音源は変わらないので、変わったのは私の耳の方なのでしょう。


今あらためてこのレコードを聴くと、歌詞やアレンジ・録音、そしてジャケットを含めて、見事に当時のアメリカ合衆国の空気感をパッケージ化しているなあと感じます。
メンバーの何人かは既に鬼籍に入っています。久しぶり (多分40年以上ぶり) に広げた、オマケのポスターに写る若い頃のメンバーの姿に胸が熱くなりました。

