
去る4月21日はプリンスの没後10年でした。Yahoo!ニュースでは、ローリング・ストーン誌に寄稿された、ドラマーのクエストラヴの記事が上がっていました。クエストラヴは、ザ・ルーツのドラマーであり、故・ディアンジェロの盟友であり、プリンスをリスペクトしていたミュージシャンの一人です。
その中で彼は「…ドラム・プログラマーとしてのプリンスはこの時期、別次元の領域にいた。」と記しています。私はそれを読んで眼からウロコが数枚剥がれました。
10代でデビュー以来、プリンスはマルチ・プレイヤーとして、あらゆる楽器を弾きこなしていました。その凄さに見落としがちになりますが、’80年代のプリンス・サウンドを語る上で最も重要な音は、何と言ってもリン・ドラム (当時最先端のドラム・マシン) の音色です。ある意味、この時期のプリンス・サウンドのシグネチャーと言える音です。
プリンスがリン・ドラムを積極的に使い始めたのは、アルバム「1999」(‘82年) からです。このアルバムからピッチを落としたようなドラム・サウンドとパーカッションが聴かれ、次作「パープルレイン」(‘84年) で、更にスネアの音を歪ませ、パーカッションにエフェクターを掛けています。
初めて「ホエン・ダヴズ・クライ」(「パープルレイン」収録) を聴いた時は、そのドラムの音に驚きヘビロテ化していました。大音量で鳴らすと歪み具合がとても気持ち良く聴こえます。当時は、これは最新型の、未来の音楽だ、と思ったものです。
数年後の「サイン・オブ・ザ・タイムス」(‘87年) では、プログラミングされたドラムのみをバックに歌っている曲も数曲あり、それらもヘビロテ化していました。
この時期のプリンスの圧倒的なサウンドを支えたリン・ドラムーーそんなところに目を付けるなど、さすがはクエストラブだなあと感心した次第です。

