【2017年12月10日】ジャケットの話

前回のフリムさんのジャケットはフリムさん自身の撮影です。自分でジャケ写真を撮ったりデザインしたりは、インディーズでは珍しくありません。これは、自分のイメージをヴィジュアルでも表現したいという欲求と、金銭的にコストがかからないという、二つが理由として挙げられます。(ちなみに私のジャケットも自分で撮っています。デザインは別の方ですが)

 

 

このCDの発売元のレーベルはかなりユニークです。帯の裏にその経営方針 (?) が記されています。全文掲載いたします。

 

 
PowerShovelAudio は、音と写真をめぐる新しい音楽レーベルです。意識的に音楽を探しているコアな音楽ファンだけでなく、めったにCDを購入しない非マニアのために、すべての音は開かれています。ルールはひとつ。ジャケットの写真もミュージシャン自身が撮影すること。以上、よろしくね。

 

 
このレーベル、PowerShovelAudio のCDを購入して、帯裏のこの文を読み、じゃあ俺も、と発奮した方も多いのではないでしょうか。
「ジャケット写真もミュージック自身が撮影すること」は、深読みすると、「当然ながら、音も、細部まで自身のオリジナリティ・手作りでお願いしますね」と言っているように読めます。
実際このレーベルのアルバムは、どれも通常のポップスのフォーマットから逸脱しており、確固たるレーベルの信念が感じられます。このレーベルの音楽ばかり聴いていたら、こっちの世界に戻ってこれないような、そんな感じです。

 

 

で、このフリムさんのジャケットは、何と紙ジャケの3枚開きという豪華なものです。自筆のライナーノーツも付いています。私はジャケ買いする位程ジャケットが気になるので、こういうのだと、無条件に欲しくなりますね。
このブログにも時々書く「ジャケがいい!」も、殆どがデジパックか紙ジャケです。整然と並んでいるプラジャケの棚に、はみ出して並ぶそれらを見ると、つい手にとってしまうんだと思います。
でもジャケットを大事にしているかと言われれば、そんな事はありません。プラのジャケットなど、中のCDだけ別にファイリングしているので、すぐになくしてしまうんですが。。

 

 

 

大昔、アナログのレコードを購入していた頃も、ジャケットはすごく重要でした。
イギリスにファクトリーというインディーズのレーベルがあり、ここからリリースされているレコードにユニークなものが多数あったのを覚えています。勿論、音もユニーク。

 

 

このレーベルのユニークなジャケットで憶えているのは、ニュー・オーダーのフロッピー型切抜きとか、オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークのカプセル型切抜きとか、ドゥルッティ・コラムの表面にサンドペーパー付きとか。そしてデザイナーにピーター・サヴィルという方がいて、この人のデザインはどれも素晴らしかったです。
ドゥルッティ・コラムのサンドペーパー付きは、「周囲のレコードを否が応でも傷つけてしまう」という ギミックを持たせるためだったといわれています。 (ウィキペディアより)
レコード店でも他のレコードと並びたくない・孤立したい、という、頑固なイギリス人ならではのコンセプトですね。
どれも既に処分してしまい、手元に残っていません。青春の思い出という事で。

 

 

 

今回はオチのない話です。この辺で。

 

 

 

フリムさんのジャケットを開きました。