数日前にリリースされた新譜「ハックニー・ダイアモンズ」が、まさかの大傑作のローリング・ストーンズ。ちょうど実家に帰る機会があったので、旧譜のアナログ盤を堪能しています。
今では信じがたいのですが、ストーンズは’60年代のデビューから’80年代半ばまでの20年間、ほぼ毎年アルバムをリリースし続けていました。どのアルバムも、安定のグルーヴを鳴らしながらもちゃんとその時々の流行りの音をしっかり採り入れています。
ストーンズの魅力については何度か書いているので、今回はごく私的な、ストーンズとの出逢いについて。
20代に入り、ファンクやレゲエ等のブラック・ミュージックにハマりはじめてから、あれほど熱心に聴いていたパンク/ニュー・ウェイヴから耳が離れていきました。私がストーンズを聴き始めたのは、そんな頃です。
思えば私が高校生の頃、ストーンズは「エモーショナル・レスキュー」(‘80年)「タトゥー・ユー」(‘81年)「スティル・ライフ」(‘82年)、と毎年アルバムをリリースしていて、それらはFMラジオで聴いています。「スタート・ミー・アップ」などはしょっ中流れていました。
ところが、20代になった耳で聴いたストーンズは、高校生の頃に聴いたストーンズとは、まるで違う音楽に聴こえたものです。ストーンズって、こんなによかったのか、と。つまり高校生の頃と、耳が、感性が、変わったのでしょう。
そんな事を思い出しながら、アナログ盤を聴いています。あれから40年近い年月が経っていますが、ストーンズの音楽は全く変わらず心に響きます。
数多いストーンズのアルバムの中で、一番黒っぽくダウナーな、マイ・ストーンズ・フェイバリット「ブラック・アンド・ブルー」を聴きながら。空間に直接音を刻みつけるような、独特のミックスも魅力です。