自曲でギターを弾いていただいているg君の家にミーティングに (遊びに) 行った際、CDを大量に借りた話を数日前に上げました。その中の一枚、スピッツ「醒めない」を、ヘビロテしています。
スピッツを初めて聴いたのは、当時住んでいたアパートの歩いて10秒、道を挟んだ斜めのところという、すぐ近くにあったCD屋の試聴コーナーにて。アルバム「空の飛び方」です。
店員のTさん (この方のオススメのはいつも試聴していた) の手書きのコメントと一緒に並べてあり、何気に聴いたらとても耳にフィットして、そのまま手に取ってレジに行きました。
「醒めない」を聴きながら、ふと思い出しました。既に20数年経っています。ジャケットの女の子が「空の飛び方」のジャケットの女の子に似てるなあと。
g君宅の居間に、大きなミッフィーのぬいぐるみが置いてありました。ミッフィーは、日本だと「うさこちゃん」の絵本で親しまれている、うさぎモチーフのキャラクターです。
今年 (来年?) はミッフィー生誕65周年で、グッズが多く発売されつつあります。私はそういうグッズなどを扱っている雑貨屋で働いているので、知っている訳です (笑)。
長年雑貨屋で働いていて思うのは、スヌーピー、ハローキティ、そしてミッフィー。日本のキャラクターだとドラえもん、アンパンマン。数10年に渡って多くの人々に愛されているキャラクターというのは、どれも一見、実にシンプルに描かれているように見えることです。
絵を描けるようになって間もない小さな子どもでも、すぐに描けるようなシンプルなデザイン。だけど実際描いてみると分かると思いますが、真似て描いても、それはホンモノのようには見えません。表情や命が宿りません。
スピッツの音楽も、まさにそんな愛されているキャラクターたちのようです。一見簡単にマネ出来そうで、マネ出来ない。そして、シンプルだからこそ、古くならない。古くならないけど、いつ聴いても懐かしさを感じます。
長く愛される音楽とは、こんな音楽なのではないかと、聴いてて感じます。
ミッフィーの作者、ディック・ブルーナさんが、ミッフィーを点描で緻密に描いているのは、ミッフィーのファンの間では周知されています。一筆書きのようなミッフィーが点描で丁寧にコツコツと描かれているーー私はそれを知った時は驚きました。驚いたと同時に、やっぱりそうなんだ、とも。
きっとスピッツの面々も、その一見簡単に生まれてきたかに聴こえる数々の楽曲を私たちの耳の奥に届くように磨き上げるのに、陰では並々ならぬ努力をしているに違いないと。そう思います。