洋楽」カテゴリーアーカイブ

【2023年12月4日】実家でザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを聴く

前回帰った時は、ローリング・ストーンズ。そして今回はヴェルヴェット・アンダーグラウンド。両バンド共に、安価なレコード・プレーヤーでこそ鳴らしたくなるロックです。

 

 

 

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、’60年代にニューヨークで活動していたロック・バンドです。私は高校生の頃、雑誌でその名前を知りました。日本盤がようやくリリースされた頃です。そしてその頃には既にパンク/ニュー・ウェイヴの元祖的な伝説のバンド扱いされていました。

 

 

大学生になって、中古盤でバナナのジャケットで有名なファースト・アルバムを購入して聴きました。その音は、それまで自分が知っていた’60年代のバンド ーー ビートルズ、ストーンズ、フー、ドアーズ…、と、全く別の音楽に聴こえました。以降、全カタログを購入して、一時期毎日聴いていました。

 

 

 

今日聴いていて、今更ながら感じたのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの音楽は、同時代のアメリカやイギリスのロック・バンドが大きく影響を受けている、ブルース及びR&B等のブラック・ミュージックの影響が、ほぼ見受けられないという事です。かといって、白人の伝統音楽 (クラシックやトラッド) の影響もありません。つまり、ある意味極めて純度の高いオリジナルな表現であるという事です。

 

 

ヴェルヴェッツ同様、ロックンロールに始まったビートルズ、ストーンズ…、たちは、その表現をどんどん広げて進化させていったのとは対照的に、ヴェルヴェッツは、最初から最後まで、2つ3つのコードを掻き鳴らしているだけです。その極端に限定された音世界の中で、自分たちの感覚・感性を解き放っている、そんな印象です。

 

 

 

以前書きましたが、私が生まれてから今までで、1番多く真剣に向き合って聴いた曲は、ルー・リード作「スウィート・ジェーン」です。この曲が初めて世に出たのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの4枚目のアルバム「ローデッド」に収録されて、です。以降、ヴェルヴェッツのライヴ盤やルー・リードさんのライブ盤で、何度も何度もリリースされています。

 

 

「スウィート・ジェーン」もヴェルヴェット・アンダーグラウンドも、多分この先、死ぬまでずっと定期的に聴き続けるのではないか。今日あらためて聴いていて、ふとそう思いました。

 

 

 

 

 

【2023年10月31日】実家でザ・ローリング・ストーンズを聴く

数日前にリリースされた新譜「ハックニー・ダイアモンズ」が、まさかの大傑作のローリング・ストーンズ。ちょうど実家に帰る機会があったので、旧譜のアナログ盤を堪能しています。

今では信じがたいのですが、ストーンズは’60年代のデビューから’80年代半ばまでの20年間、ほぼ毎年アルバムをリリースし続けていました。どのアルバムも、安定のグルーヴを鳴らしながらもちゃんとその時々の流行りの音をしっかり採り入れています。

 

 

 

ストーンズの魅力については何度か書いているので、今回はごく私的な、ストーンズとの出逢いについて。

20代に入り、ファンクやレゲエ等のブラック・ミュージックにハマりはじめてから、あれほど熱心に聴いていたパンク/ニュー・ウェイヴから耳が離れていきました。私がストーンズを聴き始めたのは、そんな頃です。

 

 

思えば私が高校生の頃、ストーンズは「エモーショナル・レスキュー」(‘80年)「タトゥー・ユー」(‘81年)「スティル・ライフ」(‘82年)、と毎年アルバムをリリースしていて、それらはFMラジオで聴いています。「スタート・ミー・アップ」などはしょっ中流れていました。

ところが、20代になった耳で聴いたストーンズは、高校生の頃に聴いたストーンズとは、まるで違う音楽に聴こえたものです。ストーンズって、こんなによかったのか、と。つまり高校生の頃と、耳が、感性が、変わったのでしょう。

 

 

 

そんな事を思い出しながら、アナログ盤を聴いています。あれから40年近い年月が経っていますが、ストーンズの音楽は全く変わらず心に響きます。

 

 

 

 

数多いストーンズのアルバムの中で、一番黒っぽくダウナーな、マイ・ストーンズ・フェイバリット「ブラック・アンド・ブルー」を聴きながら。空間に直接音を刻みつけるような、独特のミックスも魅力です。